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■ドキュメンタリー頭脳警察
日本のロックの草分けとなったバンド頭脳警察
2006年から再始動する2008年までの3年を追った長編ドキュメンタリー

2009年/日本

監督:瀬々敬久(『感染列島』『MOON CHILD』)
出演:PANTA、TOSHI、菊池琢己(guitar)ほか

配給:トランスフォーマー
公開:シアターN渋谷にて公開中、以下順次全国公開
上映時間:第1部107分、第2部103分、第3部104分
公式HP:www.brain-police-movie.com/

 
■レヴュー
 
3部作全部を観ると、総時間5時間14分という大作だ。しかし仰々しいところはない。

第1部、再始動した「頭脳警察」のライブが行われている。PANTAとTOSHIのオリジナルメンバーに、ここ数年PANTAと活動を共にしている「陽炎」のメンバーがサポートをしている。時間は2006年に戻る。新バンド「陽炎」を結成したPANTAがレコーディングに入っている。PANTAの母の死。通夜に訪れたTOSHIは、翌日PANTAのレコーディングに訪れる。そして陽炎の熱いライブ。

第2部、太平洋戦争のさなか、病院船・氷川丸で従軍看護婦として働いていたPANTAの母。当時の関係者を訪ねるPANTA。そして、収監中の重信房子の詩に曲をつけ、重信の娘を迎えてレコーディングするPANTA。フセインの孫の少年が米兵と戦った実話を基に生まれた「七月のムスターファ」…。

第3部、07年7月、再始動した頭脳警察。複雑な思いの「陽炎」のメンバーたちたが、強力にPANTAとTOSHIをサポートする。夏のイベント、そして京大西部講堂でのライブ。新曲を発表し、現在も走り続ける頭脳警察。

おそらくPANTAのライブを観たことは、いままでに2回しかない。それも20年以上前。僕がまだ大学に入るか入らないかの頃、晴海で行われたオールナイトロック・フェスと、その年に日比谷の野音のイベントで、PANTA & HALを観ただけだ。当時、PANTA & HALは日本のロックバンドとしてはかなりの人気で、RC以前の日本のロックの代表選手ともいえる。しかし僕はアルバムを買うこともなく、ラジオで聞いた何曲かを知っている程度で終わってしまった。なので、頭脳警察の曲を聞くのも今回が初めてとなる。

1950年生まれというからPANTAはもう還暦を迎えるという歳なのだが、丸くなっていないというか、僕がロックを聴きだしたころの、あのロックの危ない感じを、まだぷんぷん漂わせている。メインストリームとなったロックじゃなくて、まだ「カウンターカルチャー」としての機能を果たしていたころのロックだ。バックの陽炎の演奏はとてもうまく、そのハードなサウンドは、説得力十分。知っている昔の曲「つれなのふりや」や「ルイーズ」が始まると、ゾクゾクしてしまった。新曲「時代はサーカスの象に乗って」もいい。演奏シーンはもちろん目玉なのだが、いまだカウンターカルチャー、反権力、というロックがかつて果たしていた空気を思い出させてくれた、集会や運動、活動といったシーンも興味深く見られた。(★★★☆前原利行)

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