2008年/日本/2時間18分 「闇を描いていますが、それはタイの問題だけではなく、戦争や環境問題、いじめなど今世界中に起こっている出来事に共通する全ての根っこになっている問題だ」と監督はいう。これはタイの可哀相な子供たちの映画ではなく、日本や先進国の人身売買者とそれらを創り出す社会を告発する映画なのだ。さらに監督は自分を正義の告発者ではなく、日本人の自分自身に跳ね返ってくるような作品にしたい、観た人がこれは他人事として善悪で割り切れる犯罪ものにはしたくないと考えた。 実際、事情を知りつつも難病の我が子に臓器移植手術を受けさせようとする夫婦に共感し、真直ぐな怒りを彼らにぶつけるヒロインのほうに違和感を覚えてしまうのだから、自らの闇を認めざるをえない。 タイ警察は、自らの恥部をさらす本作の撮影に全面協力したという。(★★★★今野) ※若干異なりますが、原文は国際協力事業団JICAが編集・発行している『monthly Jica』誌の'08年8月号の映画紹介コーナーに書いたものです。
■闇の子供たち

(c) 2008映画「闇の子供たち」製作委員会
監督・脚本:阪本順治
原作:梁 石日
主題歌:桑田佳祐「現代東京奇譚」
出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽ほか
配給:ゴー・シネマ
公式サイト:http://www.yami-kodomo.jp
全国順次ロードショー中
■レヴュー
南国リゾート微笑みの国タイで、健康な子供からの心臓移植や、売買春のための人身売買、あげくエイズに犯されゴミ山に捨てられる子供たち。観るのもつらく胸が悪くなる。彼らを救おうと奔走する人々も描かれるが、日本人として最も観たくない最悪の部分を見せ付けられると逃げ出したくなる。作り物であって欲しいと望んでいた監督は資料にあたるうち、鎖に繋がれた子供の写真を見付け、同種の映画撮影にタイへ入国したドイツ人クルーはマフィアに銃撃されたことも知る。そして、幼児性愛者の醜い裸体や虐待行為などを描写するにあたり、犯罪の誘発を懸念し、誰かを傷付けるのではないかと怯え続け、発狂するほどに責任を感じたという。
■DVD情報
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