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■ウイスキー/Whisky
2004年/ウルグアイ、アルゼンチン、ドイツ、スペイン

監督・脚本:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール

出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル、ホルヘ・ボラーニ

配給:ビターズ・エンド
上映時間:94分
公開:2005年4月渋谷シネ・アミューズにて

 
■ストーリー
 
 南米ウルグアイの町。父親から譲り受けた小さな靴下工場を経営している中年男のハコボは、いつも同じ時間に出勤し、決まりきった日々を送っている。そんな彼の下で働いているのが独身の中年女性マルタだ。二人は長年仕事をしているが、必要な会話しかしない。そこに亡くなった母親の墓の建立式のために、ブラジルで暮らしいてる弟のエルマンがやってくる知らせが入る。長い間、疎遠になっていた弟が来る…。ハコボはマルタに弟の滞在中だけ、夫婦の振りをして欲しいと頼む。その申し出を受けるマルタ。ぎごちない夫婦、ぎごちない兄弟の同居生活。しかし3人の間の溝は、少しずつ埋まっていく。
 
■レヴュー
 
 タイトルの「ウイスキー」とは、日本でいう「チーズ!」だ。カメラを構える人が写真を撮る前に、「ハイ!、ウイスキー」と言えば、被写体の人たちはが声を揃えて「ウイスキー!」と答える。口は横にひかれ、微笑んだ表情になるからだ。つまりこの作品のタイトルには「作り笑い=偽りの感情」という意味が込められている。人はふつうは重要な感情ほど、あまり口に出さない。私たち観客は、話している言葉の裏に込められた三人の登場人物たちの感情を、その間合いから察するのだ。現実の生活のように。
 カメラは固定され、映画的な躍動感はあえて殺され、物語は淡々と進んでいく。しかし海外で「南米版アキ・カウリスマキ」と評されたように、そこからは人に対する暖かいまなざしがある。この寡黙なコメディを見れば、行ったことがないウルグアイという南米の国も、きっと身近に感じることだろう。(★★★☆前原利行)
 
■関連情報

・2004年カンヌ映画祭 オリジナル視点賞・国際批評家連盟賞
・2004年東京国際映画祭グランプリ、最優秀女優賞

■映画の背景

 ウルグアイは南米のアルゼンチンとブラジルという2つの大国に挟まれた小国で(面積は日本の約1/2)、人口は336万人。映画作りはあまり盛んではなく、ウルグアイ映画が日本で公開されるのは、本作品が初だという。

■DVD情報

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