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■ウォー・ダンス / 響け僕らの鼓動/War Dance


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ウガンダの紛争で親を失った子どもたちが、全国規模の大会に出場する
音楽と踊りを通じ、生きる喜びを見つけていく彼らの姿を追う

2007年/アメリカ

監督:ショーン・ファイン&アンドレア・ニックス・ファイン
出演:ドミニク、ローズ、ナンシー

配給:IMAGICA TV
公開:11月1日より、東京都写真美術館他全国順次ロードショー
上映時間:107分
公式HP:www.wardance-movie.com


 
■レヴュー
 
アフリカにおける内戦や紛争は、知れば知れるほど救いがない。NHKなどでも時おりそのドキュメンタリーが放映されるが、人間のすることとは思えないようなことを平気でやっている。カンボジアのクメール・ルージュの虐殺や、ルワンダの虐殺ほど一度にではないので、大きなニュースにならないからかもしれない。少年たちを兵士にするための「人間狩り」が行われ、少女たちは慰安婦にされ、必要ない大人たちは皆殺しにされる。子どもに斧や銃を持たして、大人たちを度胸試しに殺させる。時には自分の親や兄弟さえ殺させる。言うことを聞かない子どもはその場で殺す。そうして心が死んだ子どもは、兵士になる。

ウガンダ北部では長年にわたり紛争が続き、こうして反政府勢力による子ども狩りが行われている。抱えている兵士の人数によって、組織の中の力関係が増すため、どんな手段を使っても兵隊たちは子どもをさらう。このドキュメンタリーに出てくる子どもたちは、みなその犠牲者だ。家や家族を失った多くの人々が住む避難民キャンプのひとつ、パトンゴ避難民キャンプ。6万人を超える難民が住むその難民キャンプにある学校が全国音楽大会への初出場を決めた。この大会では、歌や踊り、楽器演奏などさまざまな部門でその技能が審査される。カメラは優勝を目指し、特訓をする子どもたちを追いながら、彼らへのインタビューも行う。子どもたちが語る過去は驚くほど過酷なものだ。親や兄弟を殺された子ども、度胸試しに人殺しをさせられた子ども…。その子どもたちが、熱中し、人に誇れること。それが音楽であり踊りなのだ。大会の日がやってくる。子どもたちは初めての都会に驚きながらも、演技に全力を尽くす。

まるでナショナル・ジオグラフィックの写真のような、美しい映像は特筆ものだが、その分「作られた」映像のような感じがする。子どもたちの語る内容や大会に臨む表情だけで十分だと思うので、構成や映像にこだわった分だけ、「もしかしてシナリオがあったのでは」と思わせてしまうところが僕にとってはマイナスだった。ちょっと優等生の作品を見せられているような感じがしてしまうのだ。(★★★前原利行)

 
■関連情報
 
・劇映画だが、あわせて観るとアフリカの紛争や少年兵の問題がわかりやすいおすすめ映画に『ロード・オブ・ウォー』と『ブラッド・ダイヤモンド』がある。前者は冷戦終結後の混乱した社会で、武器商人のニコラス・ケイジが世界各地に武器を売りまくるというもの。アフリカでは彼が武器を売ったそばから、村がひとつ消されていく。コミカルなタッチだが、笑うにはあまりにも怖い世界。もちろん武器を売っているほうは、自分の家庭の幸せには力を尽くすが、よその世界の子どもが何人死のうが知ったことじゃない。アフリカの内戦や紛争にダイヤモンド産業が大きく関わっていることは、多くのドキュメンタリーで取り上げられているが、後者の映画の実質的な主人公(ディカプリオじゃない)はアフリカの村民で、息子を兵士に誘拐され、それを取り戻すために命をかける。しかし息子は兵士として洗脳されていた…。レンタルビデオ店には必ずあるので、興味があったら見てみるといい。

・2007年サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門監督賞受賞

・2007年第80回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート

 

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