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■未来の食卓/Vive le Bio
小学校の給食をすべてオーガニックにした南仏の村をモデルに、
無農薬栽培の促進を訴えるドキュメンタリー

2008年/フランス

監督:ジャン=ボール・ジョー

配給:アップリンク
公開:8月8日よりシネスイッチ銀座ほか
上映時間:112分
公式HP:www.uplink.co.jp/shokutaku

 
■ストーリー
 
フランスのユネスコ・パリ本部。そこでは「ガンと環境汚染」のシンポジウムが行われている。農作物に使われる農薬が、いかに人体を侵しているか。フランスは欧州随一の農業大国だが、また最大の農薬消費国でもある。ガンなどもその影響だ…。一方、南仏のアルルに近いパルジャック村では、2006年の新学期から小学校の給食を全部有機栽培で育った食材、そして地場産の食品を使うことを決めていた。同時に校庭の隅で子どもたちは野菜作りにもチャレンジする。村の中でも有機農家はごくわずかだが、村人達はこの試みに賛同。また有機農家と一般農家とのディスカッションも重ねられていく。一年が過ぎ、オーガニックに対する考えは村人に浸透していった。
 
■レヴュー
 
最近、「食」を扱ったドキュメンタリーが次々と公開されているが、それはそれだけ食への関心が高いからだろう。「毒入りギョーザ」のようにセンセーショナルではないものの、私たちが毎日食べている食品の多くには「薬」や「添加物」が含まれている。ふだん生活していて、有機野菜、無農薬野菜、地鶏などにはほとんど興味がない僕でさえ、こうしたドキュメンタリーを見ていると、食べているものが気になってくる。仕事をしていればわかるが、「安いものには訳がある」は、どんな商品にも共通するもの。パン屋でホームメイドのパンを一個買っても120円、マックのハンバーガーはそれよりも安い。「なぜ?」はアメリカのドキュメンタリー映画などで前にも語られているが、安い野菜にだって理由がある。

本作は「農薬が身体にどんな影響を及ぼすか」「なぜ有機農法の作物がいいのか」などの素朴な疑問を、僕のような素人にもわかるように丁寧に解説してくれる「オーガニック啓蒙映画」だ。だが確かにそうだとわかっていても、また一方的に「すばらしさ」を言われても、素直に受け取れないのが人間だ。いい作品なのだろうが、僕にちょっとその点が鼻につく。まあ、それは映画としての問題(ストレートすぎるということで)なので、有機農法の是非ではないのだが。

人間が生産性を高めるため、自然に無理をさせると、結局はその因果が自分に跳ね返ってくる。それは『不都合な真実』『ダーウィンの悪夢』『ファーストフード・ネイション』などでも語られてきたこと。ここではそのためにまず、未来を担う子供たちの食生活から変えようとする。取り組み方はいろいろあるが、それもひとつの方法だろう。農薬で育ち、添加物がたくさん入った食材を食べて育つ人間の子どもと、抗生物質と添加物入り飼料でふつうのウシの三倍のスピードで育つ肉牛。どこか似ていませんか? 学校給食がマックになるかもしれない未来もあるのだから(おやつ替りに配る小学校、本当にあります)。(★★☆前原利行)

 
■関連情報
 
・好評を博した本作のパート2が現在撮影中。今度はフランス以外に、カナダや日本でも撮影が勧められている。日本ではアイガモ農法の農家が取り上げられている。

・食に関するドキュメンタリーには以下のようなものがあるので、見る機会があったらどうぞ。

『おいしいコーヒーの真実』…一杯のコーヒーの値段。そのうち生産者の手に渡る金額はごくわずか。

『いのちの食べ方』…現代人が生きるために消費する「肉」。「命」がシステマティックに「肉」に変わっていく。

『ファーストフード・ネイション』…ドラマ仕立てで、アメリカのファストフード業界がコストダウンを図るために、どんなことをしているかを描く。

『キング・コーン』…アメリカ人の体はコーンでできている! 農薬で育ったコーンに関わる食品は、私たちの生活に浸透していた。

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