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■ヴィニシウス/愛とボサノヴァの日々/Vinisius
2005年/ブラジル

監督:ミゲル・ファリアJr.
出演:ヴィニシウス・ヂ・モライス、アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト、バーデン・パウエル、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、エドゥ・ロボ、トッキーニョ

配給:バイオタイド
上映時間:122分
公開:4月18日(土)より渋谷シアターTSUTAYAにて上映
公式HP:http://www.vinicius.jp/

 
■ストーリー
 
生涯に400篇を超える詩と400曲の歌詞を世に送り出した、ボサノヴァ史では欠かすことのできない重要人物、ヴィニシウス・ヂ・モライス。「イパネマの娘」を作詞した詩人であり、外交官でもあり、ウィスキーを愛し、9回の結婚をしたという恋多き人生。現代ブラジル・ミュージシャンのインタビューと演奏、ヴィニシウスと関わったジョビンやジョアン・ジルベルトたちの貴重な映像を交えて、彼の生涯に迫る。
 
■レヴュー
 
ヴィニシウス・ヂ・モライスといえば、バーデン・パウエルとの共作『アフロ・サンバ』という作品で、その歌声を聞いた事があった。だが、特に印象に残る声というわけではなく、そのアルバムもあまり聴かれずに、棚に眠ったままだった。劇中には、その中の曲「オサーニャの歌」を歌う映像があった。蛇足だが、ギターを弾くバーデン・パウエルの若かりし日のイケメンぶりに驚かされた。よく知っている晩年の彼は眼鏡姿の白髪頭だったから。

この映画を観て気づいたのは、思い入れのある数曲を除き、いかに自分がポルトガル語の歌詞や意味を無視して、ブラジル音楽を聴いて来たか、である。ある意味スノッブな聴き方をしてきたわけだが、非常にもったいないことをしてきたな、と反省せずにはいられない。映画の所々で、現代の若手ミュージシャンたちが、ヴィニシウス作品を演奏していくのだが、メロディーとともに譜割された字幕によって、表情豊かな彼の詩的世界を堪能することができる。(途中で曲が途切れてしまうのが残念だったが)67年間の生涯に9度の結婚をしたことが物語るように、恋の情熱や痛み、自由と人生を謳歌するような寛容とユーモアが見受けられる。その歌を聴いていると、夢見心地と同時にポジティブな気持ちになるから不思議だ。

マルセル・カミュによって映画化された『黒いオルフェ』のオリジナル戯曲を書いたのがヴィニシウスで、その舞台が縁で、彼はアントニオ・カルロス・ジョビンと共作をはじめる。その後、二人は、ジョアンジルベルトをギターに迎え、1958年に「想いあふれて」を発表する。これがボサノヴァの嚆矢となった。

ヴィニシウスの生涯=ボサノヴァの歴史が、貴重な映像や、豪華な証言者たちのインタビューで語られる。特にエドゥ・ロボの顔が拝めたことが、個人的にはうれしかった。ボサノヴァ・ファンはもちろん必見だが、このご時世にちょっと疲れ気味の人にもぜひおすすめしたい作品だ。(カネコマサアキ★★★☆)

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