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■ツォツィ/Tsotsi

(C)Tsotsi Films (Pty)Ltd. 2005
2005年/イギリス、南アフリカ

監督・脚本/ギャヴィン・フッド
原作/アソル・フガード(青山出版から春に発刊予定)
出演/プレスリー・チュエニヤハエ、テリー・ペート、ケネス・ンコースィ

配給/日活、インターフィルム
上映時間/95分

公開/「4月14日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー!

公式HP/www.tsotsi-movie.com

 
■ストーリー

南アフリカのヨハネスブルグ。そのスラムに住むツォツィをリーダー格とする不良グループは、今日も地下鉄の駅で、「獲物」を物色する。その日も車内で男性からサイフを盗もうとするが、声を上げようとした男を仲間のブッチャーが殺してしまう。その夜、「殺し」を仲間のボストンになじられたツォツィは、ボストンを殴り倒し、いつのまにか高級住宅街を歩いていた。そこで帰宅した女性を襲ってその車を奪うが、後部座席には小さな赤ん坊がいた。ついその赤ん坊を自分の部屋に連れ帰るツォツィ。その赤ん坊がきっかけで、すさんだ生活を送る彼の心が少しずつ変わり始める。

■レヴュー
 
 旅行人読者ならよく知っていると思うが、現在南アフリカのヨハネスブルグは世界有数の危険都市だといわれている。この物語はそのスラムに住むギャング団のリーダーのツォツィが、新たな人生に踏み出す物語だ。
 お金のためなら人殺しもする青年たち。ツォツィも盗んだ車に追いすがる母親の体に情け容赦なく弾を撃ち込むような青年だ。しかし物語が進むに連れ、無口で何を考えているかわからないような冷酷な青年に変化が訪れる。過去から逃れるように、そして一人で生き抜くために、動物のように育ったツォツィは、赤ん坊を見つめているうちに、まだ優しい心を持っていた昔の自分を思い出していくのだ。
 とても誠実な作りだが、欠点もある。ツォツィなど登場人物のキャラクターが、ステロタイプで深みに欠けるような気がするし、またツォツィが改心するまでの心の葛藤があまり胸に迫ってこないのだ。その点に物足りなさを感じるが、ヨハネスブルグのスラムや地下鉄、高級住宅街、人々の生活など、街の描写は珍しいこともあり、リアリティを持って感じることができた(映像はよく練られた結果で美しい)。それだけでも見る価値あり。(★★☆前原利行)
 
■映画の背景
 
「ツォツィ」とは「不良」や「チンピラ」を意味する南アフリカのスラング。この映画にも出てくるように、アパルトヘイトが終わってから、豊かで高級住宅街に住む豊かな黒人も生まれたが、スラムで暮らす貧乏な黒人も相変わらずいる。南アフリカでは、黒人の中に格差社会が形成されたのだ。
 
■関連情報
 
 2006年アカデミー賞外国語映画賞受賞、エジンバラ国際映画祭最優秀作品賞ほか、世界中の映画賞を数多く受賞している。
 
■DVD情報
 
ツォツィ プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]
Happinet(SB)(D) (2007-10-19)
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