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■チベットチベット

2001年/日本/1時間35分
監督・旅人:金森太郎こと金昇龍
構成・編集:梶 愛(かじまこと)
音楽監督:おおくぼともゆき
全国で自主上映中!
公式サイト:http://ragos.com
 
■ストーリー
 
 幼い頃からの民族教育にウンザリしていた「在日韓国人三世」の監督は、日本に帰化する前に「世界を見たい」と旅立つ。1997年に訪れた北インドのダラムサラで、中国占領下のチベットを逐われた難民に出会いショックを受け、ダライ・ラマに同行取材する。チベットのラサでは、中国人民解放軍に破壊されたチベット寺院の廃虚にたたずみ、祖父母がこだわり、自分に伝えようとしていた民族の誇りについて思いを巡らせる。

■レヴュー

 旅人としてビデオを回しながら、あるいはナレーションで語られる監督の言葉はとても自然で好感がもてる。
 中華人民共和国成立の翌1950年から、中国人民解放軍によるチベットの侵略と支配は始まる。抵抗運動や武装蜂起、独立要求デモが起きるたび、多数の逮捕者や死者を出し、寺院は破壊された。59年、ダライ・ラマは8万人のチベット人とインドへ亡命し、ダラムサラにチベット亡命政府を設立。国際社会や人権団体の避難にも関わらず、中国政府によるチベットでの人権侵害、文化や自然の破壊は現在も続く。国境警備が手薄になる冬、今も年間2?4千人が雪のヒマラヤを命がけで歩いて越えてネパールやインドへ亡命している。日本人同様、中国人も自国の政府や軍隊が、そこで過去に何をし、また今何をしているのか、よく知らない。作中のチベット女性は泣きながら「私には話すことしかできない」「あなたのような遠い国の人に、知ってもらうことだけでも、それだけでも支えだ」と話す。
 他国を避難するその同じ目で、自国を見ることの難しさを思う。(★★★★今野雅夫)

※若干異なりますが、原文は国際協力事業団JICAが編集・発行している『monthly Jica』誌の'06年1月号の映画紹介コーナーに書いたものです。

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