| ■4人の食卓/The uninvited |
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2003年/韓国
監督・脚本:イ・スヨン
出演:チョン・ジヒョン(『猟奇的な彼女』『イルマーレ』)
パク・シニャン(『モーテル・カクタス』
配給:東芝エンタテインメント
上映時間:130分
公開:5月中旬よりシネマスクエアとうきゅう |
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| ■ストーリー |
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インテリア・デザイナーのジョンウォンは、地下鉄の最終電車の中で、二人の少女が向き合って眠っている姿を目撃する。翌日、それが少女たちの母親による毒殺事件だったということを知り、激しく動揺する。その日を境に、新しい結婚生活を始めるために購入した食卓の前に、死んだはずの二人の少女が現れるようになる。
ふとしたきっかけで、ジョンウォンは同じマンションに住む、少し陰のある女ヨンと知り合う。彼女もジョンウォンの部屋で二人の少女を目撃する。婚約者には決して見えない少女たちが見えたのだ。それは現実なのか、幻覚なのか。二人は失われた過去の記憶を巡って、急接近していく……。 |
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| ■レヴュー |
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女流監督イ・スヨンが意図したものはなんだろうか?
想像するに、結婚前に誰もが不安を感じるという「マリッジ・ブルー」が発想の原点なのではないかと思う。主人公ジョンウォンには結婚式で披露する予定の1才の時の写真がない。7才以前の記憶も欠落している。婚約者はそういうことに全く気付かないし、もちろん主人公が悩まされる「二人の少女」の幻覚も見えない。二人は本当に相手のことを理解しているのか?相手の過去に何か重大な秘密があるとしたら……?
謎が謎を呼び、断片的なジグソーパズルのように展開される物語は、見ごたえはあるが、少し詰め込み過ぎで混乱を招く。正直、よく飲み込めない筋立てもある。難解ではあるのだが、そこから透けて見えて来る「恨」(ハン)という感情(『悪い男』レビュー参照)が、生きることの苦しみや切なさを醸し出している。
主人公の欠落した記憶とは・・・?彼の希求した「食卓」(=家庭・家族)とは何だったのか?それは映画を観た人全てに対する問いかけでもある。おそらく、監督は観客自身がこの映画を完成させることを望んでいるにいがいない。
人間の存在やその曖昧さ、人間が生まれながらにしてもつ孤独感、自己同一性などを扱っており、単なるホラーとは様相を異にした、新しいジャンルのサイコサスペンスといえるかもしれない。★★★(カネコマサアキ)
デート映画にはまったくすすめません
「見たあと後悔する映画」というのがある。それはつまらないからではない。しかし映画を見ている時間に受け続けた「負のオーラ」を、最後に発散することなく終わると、その日の残りの時間はこの「負のオーラ」が僕を支配してしまうのだ。こうした映画には『セブン』『隣人は静かに笑う』『ザ・バニシング』などがあり、この『4人の食卓』もタイプは異なるが、印象は近い。
先日、スヨン監督の記者会見に出席する機会があった。その場で、この作品は彼女のデビュー作なので、今までの人生において思ってきたことをかなり取り込んだと語っていた。この作品にはさまざまな都市伝説が盛り込まれているが、それ以外にもうまくストーリーに絡まないような小さな設定が無数にある。それがうまく消化されていないと思う反面、逆に「あれは何だったのだろう」と気になってしまうところもある。きっと監督は納得しているのだと思うが。
この映画をホラー映画といってもいいのだろうか。明らかに怪奇現象といえるのは、死んだ少女の姿が見えるというだけだ。しかしそれよりも怖いのは、人間がとる行動だ。暴力的な男性原理の怖さと違って、ここには攻撃的な怖さではない、女性の生理から来るようなじっとりとした怖さがある。だからスカっとしない。子どもが死ぬシーンが多いのもダメだ。そんな怖い映画を、ごくふつうにいそうな外観の監督が作ってしまうところはもっと怖い。彼女の頭の中が一番怖いかもしれない。★★★(前原利行) |
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| ■映画の背景 |
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・監督はインタビューで「韓国は数年前の経済危機の時、さまざまなほころびが社会の表面に出てきました。それまで成長を続けてきた社会が初めて直面した困難だったのです。自分が信じていたもの、信じていた家族、そうしたものが崩壊し、親が子どもを捨てたり、高層マンションからの飛び下り自殺といった事件が起きました。その時、私は人間の心はなんて弱いんだろうと感じ、この映画のテーマが浮かびました」と語っている。
この作品を作る直接のきっかけは、監督がたまたま地下鉄の車内で子どもたちだけで眠りこんでいる姿を見かけたこと。「そばには親もいず、子どもたちだけでした。そんな姿は以前はありませんでした。そしてあまりにも熟睡していたせいか、私にはその子どもたちが息をしていないように見え、急にゾっとしてしまいました。そこからこの作品のアイデアが浮かんできたのです」。 |
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| ■関連情報 |
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| ・日本ではホラー作家・大石圭氏によるノベライズの発刊が予定されている。大石によれば、エンディングは映画とは変えるという。 |
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