監督・脚本:ツァイ・ミンリャン ある日、女はシャオカンと偶然再会し、彼女の部屋に彼を招く。無くしたスーツケースの鍵をめり込んだアスファルトの中から拾ってくれたのも彼だった。彼女は彼に様々な期待を抱く。 シャオカンは今、アダルトビデオ男優になって生計をたてている。実は偶然にも彼女が住む同じマンションでヴィデオの撮影が行われていたのだった。ついに彼女はシャオカンの職業を知る事になるのだが・・・。 前作『楽日』では、閉館される映画館を舞台に映画への熱い想いを抑えた演出でみせてくれたのだが、今回は、何と、日本のアダルト・ビデオ?ピンク映画にオマージュ(?)を捧げている。元々ツアイ・ミンリャン映画はセクシャルな表現、イメージが多いと思うけれど、今回は直球勝負というところだろうか。 「まだ時計売りの仕事してるの?」という女のセリフが出てくるので、『ふたつの時、ふたりの時間』の続編を思わせるが、干ばつの設定や、ミュージカルやドラッグクイーンを思わせる歌とダンスがあることから、雨が降り止まない水浸しの季節を描いた傑作コメディ『HOLE』と対になった作品とも解釈できる。 とはいえ、この作品は過去のツアイ・ミンリャン作品を知らなくても十分楽しめる映画になっていると思う。その証拠に、台湾では過去10年間の歴代興行成績第1位を獲得しているのだから。どうやらその性描写、無修正公開が話題を呼んだらしいけど。 日本からはAV女優(当時)、夜桜すももが参加。スイカのようにたわわな肢体を見せながら、気を失ったまま意識の戻らないAV女優役を好演している。『愛情万歳』でボーリングのボールとして使われていたスイカが、今回はジンマシンのようにたくさん出てくる。 今回も孤独な人間たちのすれ違いの物語。想いは決して交わる事がない。それは悲劇だけど,同時に喜劇でもある。驚嘆のラストシーンは、解釈のわかれるところかもいれない。蔡明亮映画の中では『河』と並んで最も過激なラストではないかと思う。(カネコマサアキ ★★★★) 銀熊賞、アルフレッド・パウエル賞、国際批評家連盟賞 東京国際映画祭では『浮気雲』というタイトルで上映された。
■西瓜/天辺一朶雲

2005年/台湾
出演:チェン・シャンチー、リー・カンション,夜桜すもも、ヤン・クイメイ
配給:プレノン・アッシュ
上映時間:82分
公開:9月23日(土)、ユーロスペースにて
■ストーリー
台北では雨が降らず、水不足の危機に瀕している。水道からは水が出ず、ミネラル・ウオーターとスイカの水分でしのぐ日々。主人公の女は、物質的にも精神的にも、性的にも乾いている。
■レヴュー
とんでもない怪作だ。
■関連情報
2005年ベルリン国際映画祭
■DVD情報
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