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■第10回フランス映画祭 横浜2002 リポート 6月20日(木)
 
 あいにくの天候の中、「フランス映画祭横浜」の2日目が始まった。11:00から始まった1本目の上映作品は、ナチス占領下のパリの映画人によるレジスタンスを描いた大作『レセ・パセ(仮題)』。上映前と終了後に、ベルトラン・タヴェルニエ監督と出演者ジャック・ガンブランとマリー・ジランによるプレゼンテーションと質疑応答があった。タヴェルニエ監督は『田舎の日曜日』や『ラウンド・ミッドナイト』などで知られる名監督。2002年ベルリン国際映画祭では銀熊賞と主演男優賞を受賞している。3人による恒例のサイン会も、人の列が途絶えるまで1時間あまり続けられた。
 続いて16:30からは「ジャック・タチへのオマージュ」と題して『ぼくの伯父さん』(1958年作品)の特別記念上映が行なわれた。

■タヴェルニエ監督のコメント
(観客からの質疑応答に答えて)
 この映画では、私は同じ映画人として当時の人々へオマージュを捧げると共に、古き時代の映画人がナチの占領下において何を思い、いかに行動したかを描きたかった。「英雄とは自分のできることをする人だ」というロマン・ロランの言葉があるが、それは現在にも通じることだ。そしてそうした過去を忘却せずにいることが重要だと私は思っている。
 また、私は大戦下で石油の供給も止まった「光のないパリ」も再現したかった。窓ガラスに色が塗ってあるのは、光が漏れて空襲を受けるのを避けるためだ。また、ガソリンがなければ車も走らない。画面に自転車がよく登場するのもそのためだ。(取材・写真/前原利行)
  

左からタヴェルニエ監督、出演のジャック・ガンブラン、マリー・ジラン
 
■レセ・パセ(仮題)
製作年/製作国:2002/フランス

監督:ベルトラン・タヴェルニエ
出演:ジャック・ガンブラン、マリー・ジラン
配給:シネマパリジャン
上映時間:170分
公開:未定
 
■レヴュー
 
 原題の『レセ・パセ』とは通行証のこと。ナチス占領下のパリにおいては、夜間の外出は通行証なしでは禁じられていた。主人公の助監督ドェヴェーブルはドイツの映画会社で働き、この通行証を手に入れる。映画の仕事なら夜間に撮影所へ行くこともおかしくない。そして彼はその裏で、自分なりのレジスタンス協力をする。映画はその彼と脚本家オーランシュを軸に、撮影所で働く人々のそれぞれのレジスタンスを描いていく。
 実話をもとにした3時間近い大作だが、ストーリーの流れや登場人物の整理がうまくつかみにくく、この時代の勇気ある人々を描こうという心意気は買えるが、正直言って僕はあまり成功しているとは思えなかった。とくに3人の愛人を渡り歩く脚本家オーランシュのエピソードにかなり時間を割いているのに、魅力をあまり感じなかった。群像劇を描こうとしてはいるのだろうが、ここは助監督ドェヴェーブル(ジャック・ガンブラン好演)の話を中心にすっきりとまとめて欲しかったような気がする。そうすれば2時間以内にまとまり、より深みのある人間像が描けたのではないか。
★★(前原利行)
 
 

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