19:00からはフランス代表団や横浜市長、主催者らによる舞台挨拶。上映作品のゲストが、舞台に勢ぞろいする姿は壮観。毎年恒例のオーバースピーチにより(フランス人は話が長いと関係者泣かせなのだ)、所定の30分よりかなりオーバー。オープニング上映作品『デュラス 愛の最終章』が始まったのは19:50過ぎ。 公開:今秋、渋谷のBunkamura ル・シネマにて
■第10回フランス映画祭 横浜2002 リポート 6月19日(水)
映画好きにはたまらない参加型映画祭、「フランス映画祭横浜」が今年も始まった。何が「参加型」かというと、作品の上映前にスタッフや出演者からのプレゼンテーション、そして終了後には観客からの質疑応答、そしてゲストによるサイン会があるからだ。実際、映画ファンとしては、単なるスターの舞台挨拶ぐらいはあっても、直接憧れのスターや監督に質問できるチャンスがあるということは夢のようだろう。また、終了後のサイン会も、定員○○名までというわけではなく、時間の許す限りだから誰もがチャンスがあるわけだ。
さて、初日の19日、会場のパシフィコ横浜には、生半可の映画ライターには負けないような、アツ〜い映画ファンが集った。本日の1本目の上映は女性監督サブー・ブライトマンのデビュー作『記憶の森』。上映終了後は、監督のサブー・ブライトマンらによるサイン会が列が無くなるまで続けられた。

上映終了後の21:30からは約20分に渡り、主演のジャンヌ・モローと相手役のエーメリック・ドゥマリニーによる質疑応答。観客からは中身のある質問もない質問も混在して投げかけられるが、的外れな質問を適当にあしらうジャンヌ・モローは貫禄十分。とても74歳とは思えない。客席には、60年代にジャンヌのファンだったであろう中年(老年?)ファンが、「生ジャンヌ」を目の前で見て、感慨に浸る姿も(たぶん)。その後は恒例のサイン会だが、おそらく会場に来た人の多くが並んでいたのではないか。それを見て、御大の身体の様子を、つい気づかってしまった。またハンサムな好青年エーメリック・ドゥマリニーも気さくな感じで、女性ファンに囲まれながら、実にうれしそうな感じでサイン会の席へ向かっていたのも印象的だった。(取材・写真/前原利行)
■デュラス 愛の最終章
製作年/製作国:2001/フランス
監督:ジョゼ・ダヤン
出演:ジャンヌ・モロー、エーメリック・ドゥマリニー
配給:コムストック
上映時間:100分
■レヴュー
後半、デュラスがだんだんケバくなったり、彼の気を引こうとしたり、逆ギレしたりは、老人の孤独と淋しさが出ていて痛々しい。で、またこれがモロー、うまい。若者だったヤンも紆余曲折がありながら、デュラスの才能に惹かれ、デュラスがアル中で入院しようが支えていく。このあたりは、実に「大人の映画」。このころになると、最初は老いて痛々しかったモローが、どこか少女のような部分を見隠れしさせてくるから不思議だ。映画としては力不足だけど、2人の演技で最後まで引っ張ってもらえた。★★☆(前原利行)
ジャンヌ・モロー扮するマルグリット・デュラスの晩年の、38歳年下の恋人ヤンとの愛の日々を描いた作品。デュラスは現代フランス文学を代表する女流作家で、自伝的な『愛人ラ・マン』や、『モデラート・カンタービレ(映画タイトル『雨のしのび逢い』)』、などが映画化されている。また自作の『インディア・ソング』は自ら監督し、映画化もしている。そんなデュラスを親友でもあったジャンヌ・モローが演じるというだけでも、話題性十分なのがこの作品だ。
さてこの作品はどうかと言えば、当初、老いたモローの顔のアップが痛々しい。そしてそんな彼女が自分の孫ほどの青年と恋仲になってしまうのだから。最初のうちは、「こんなラブストーリー、最後まで見ているのはしんどいなあ」というのが、正直な感想だった。「いくらフランスと言えども、ホントにこんな年の差があって、相思相愛になるわけ?」と思いつつ見ていたら、案の定、束縛するデュラスに若者がキレたりと、さもありなん。ところが次のシーンは一緒にいて仲良くしていたり? ここらあたりの時間の経過がよくわからなかったが、1〜2年の話かと思っていたら、なんと事実は18年も付き合っていたという。映画の95%は2人しか出てこないので、どうもこのあたりが掴みづらかった。しかしこれは2人の世界の中では、18年なんか1〜2年のことというぐらいの裏返しかもしれない。