Home > 旅シネ > セヴァンの地球のなおし方

■セヴァンの地球のなおし方/SEVERN, LA VOIX DE NOS ENFANTS

19年前に環境破壊を止めるよう世界に訴えた少女が
いま、母親になり、再度同じ問いかけをする

2010年/フランス

監督:ジャン=ポール・ジョー(『未来の食卓』)
出演:セヴァン・スズキ、ハイダグワイの人々、古野隆雄、福井県池田町の人びと、バルジャック村の人びと

配給:アップリンク
公開:6月25日より東京都写真美術館、アップリンクにて
上映時間:120分
公式HP:www.uplink.co.jp/severn


■レヴュー
 
放射能汚染や有害物質を含んだ栽培…、食への関心が高まる中、日本でも公開された『未来の食卓』は、村全体で有機農法に取り組むフランスのバルジャック村を中心とした、オーガニック啓蒙映画だった。その監督による本作は、「食」だけでなく、地球が抱えている問題をより良い方向へ直そうとしている人々を映し出していく。

語り手となるのはセヴァン・スズキ。1992年、ブラジルで開かれた国連の地球サミットで、12歳のセヴァンは世界の識者を動かす有名なスピーチを行った。「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」。そして現在29歳になったセヴァンのお腹には新しい命が宿り、未来の子どもたちへ、そして子どもを持つすべての親に語る。

日本ではすっかりおなじみの合鴨農法によりオーガニック米を作る福岡の農家、『未来の食卓』の舞台となったフランスのバルジャック村、サメの乱獲反対を訴える13歳の少女、コルシカ島のビオワイン農家などの取り組みが本作で紹介されていく。言っていることは、しごくまっとうだ。有機栽培の野菜を買っている人はかなり共感するだろう。しかし、僕にはあまりにさらっと流れてしまい、印象が薄く感じられた。どうも僕のような危機感がない人には、「そうだそうだ、その通りだ」と見ている間は共感するが、それで終わりになってしまう。手遅れになってからでは遅いのだろうが、僕は東電の役員のように現実に目をつぶって、汚染された食材を食べ続けている。それだけでも、地球をこわす方に加担しているのだろうか。それとも巨悪に対抗するには、このドキュメンタリーに出てくる人々のように、小さな取り組みをしていけばいいのだろうか。それもなかなかできるものではないのだが。(★★★前原利行)

Home > 旅シネ > セヴァンの地球のなおし方