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■世界

2004年/日本・フランス・中国

監督・脚本:ジャ・ジャンクー(『プラットホーム』、『青の稲妻』)
撮影:余力為(『プラットホーム』、『天上の恋歌』監督)
音楽:林強(リン・チャン)(『ミレニアム・マンボ』)
出演:チャオ・タオ(『プラットホーム』、『青の稲妻』)、チェン・タイシェン(『思い出の夏』)、ジン・ジュエ、チャン・チョンウェイ、ワン・ホンウェイ(『プラットホーム』、『一瞬の夢』)

配給:ビターズエンド
上映時間:133分
公開:10月22日より銀座テアトルシネマにて秋公開

公式HP:www.bitters.co.jp/sekai


■ストーリー
 北京郊外にあるテーマパーク「世界公園」では、今、まさにダンサーたちによるショーが始まろうとしていた。ここにはエッフェル塔、ピサの斜塔、ピラミッドなど、世界各地の名所旧跡のミニチュアが集められ、人々はそれを楽しんでいる。仲間からは「姐さん」と慕われているダンサーのタオは、警備主任のタイシュンと恋人同士だ。しかしその笑顔の裏には漠然とした不安を抱えて生きていた。
 訪ねて来たかつての恋人のリャンズーはパスポートを見せ、これからモンゴルのウランバートルへ行くという。子どもを残して働きに出て来たロシア人ダンサーは、やがてもっと実入りのいいホステスの仕事へと移っていく。ダンサーのウェイは嫉妬深い恋人といさかいが絶えない。重役の愛人になり団長へ出世するダンサー、盗みを働いて解雇される守衛…。その中でタオとタイシュンの関係も揺らいでいく。
 
■レヴュー
 
 世界のすべてが収められた公園。しかしそれは所詮作り物で、そこで働く者は実際の世界の外に出ることはできない。「世界公園」が現代中国の暗喩であることは見ていてすぐにわかるだろう。世界公園で働く2人の男女の関係を軸に、物語は多くの登場人物の「世界」の断片が語られていく。そこに共通するのは、未来が見えない漠然とした閉塞感だ。永久に繰り返すのではないかと思える、変わらない毎日。貧しいものは貧しいままで固定化した社会。発展の波に乗れるのは、ごくわずかの者だけだ。今までは地方都市に住む若者の閉塞感を描いていたジャ・ジャンクー監督だが、本作では大都市に住む人々が直面している問題を、世界公園という舞台を通して奥深く描いている。撮影、音楽も効果的で申し分ない。(★★★☆前原利行)
 
■映画の背景
 
 舞台となる世界公園は北京の郊外にあるが、ロケは広東省にある深センのテーマパーク「世界之窓」でも行なわれた。世界中の名所旧跡を集めるというコンセプトは同じだが、規模は深センの「世界之窓」の方が大きく、見栄えもいいためだ。本作のエッフェル塔やピラミッド、公園の全景は深センで撮られた。
 
■DVD情報
 
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