■サンサーラ/Sansa
2003年/フランス
監督・脚本・撮影・音楽:ジークフリート(『LOUISE(TAKE2)』)ヴァイオリン演奏・音楽:イヴリー・ギトリス
出演:ロシュディ・ゼム(『愛する者よ、列車に乗れ』)、イヴリー・ギトリス(『アデルの恋の物語』)、藤谷文子(『式日-SHIKI-JITSU-』『ガメラ大怪獣空中戦』)、阿部譲二、マルタ・アルゲリッチ
配給:ザナドゥー
上映時間:118分
公開:2005年1月、東京都写真美術館にて
■ストーリー
パリのテルトル広場で似顔絵書きをしている青年サンサ(ロシュディ・ゼム)は、警察の取締りで住みにくくなったパリを出て旅に出た。スペインでは町中であった女性に一目惚れし、追いかけて彼女の仕事を邪魔してしまう。次に訪れたハンガリーでは、いつのまにかパレエのリハーサル会場にもぐりこみ、警備員に追いかけられる。オーケストラの指揮者でヴァイオリニストのクリック(イヴリー・ギトリス)と出会った2人は、世代を越えた友情を結ぶ。イタリアの次は列車に乗り、いつのまにか着いたのはロシア。ここでクリックと再会。歩いて東京を目指すと、いつの間にか軍隊とゲリラの争いに巻き込まれる。サンサが着いたのはなぜかインド。ようやく着いた東京で、サンサはかつての友人ジュン(藤谷文子)と再会し、ジョージ(阿部譲二)の経営する居酒屋で働くことに。クリックとマルタ(マルタ・アルゲリッチ)のリサイタルに現れるサンサ。その後もサンサの旅はまだまだ続くのだった。
■レヴュー
「根っからのボヘミアン」といった感じのサンサが、世界10カ国以上を旅し、カメラ(=監督であり撮影者であるジークフリート)がその前に現れる人々とサンサの関係を映し出す。これといって全体を貫くストーリーはなく、ふつうの劇映画ではないがドキュメンタリーでもない。監督はアンダーグラウンド映画では名を知られているというフランス人のジークフリート。本作では監督、撮影、音楽をこなしている。あえてカテゴラズしてみれば「アート系ロードムービー」といったところか。
時には画面からサンサの存在さえも消え、現地の風景や人々の姿がずっと映し出される。そこに監督自身の作曲による音楽が被さり、不思議な浮遊感に包まれる。そんな時にはこの作品はかなり「アート」の方へ針は触れて(少々眠くもなるのだが)、サンサが老ヴァイオリニストのフリックと絡み出すと、画面が躍動し「ストーリー」を語る方向へと針が触れる。
僕もかつて長い旅行ををしたことがあるが、旅全体を流れるストーリーなどなく、その場その場のドラマの連続だった。そう考えれば、こうした作品の作り方も「あり」なのだろう(★★☆前原利行)
■関連情報
・クラシックファンには、現役最長老のヴァイオリニストのイヴリー・ギトリスと、世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチ(別府アルゲリッチ祭の総指揮者)の競演シーンが見られるのは、うれしいハプニングのはずだ。これは2001年11月に東京で行なったゲネプロのシーンが使われている。
・主人公サンサの名は、サンスクリット語で「輪廻」を意味する「サンサーラ」から名づけられた。
■映画の背景
この映画の中でサンサが訪れた国は10カ国。フランス、スペイン、ハンガリー、イタリア、ロシア、インド、日本、エジプト、ブルキナファソ、ポルトガル、そして再びスペイン。とはいえ観光名所は出てこないので、そちらを期待しても無理。
■DVD情報
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