2007年/アメリカ、カナダ 監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ(『ブラック・ダリア』『アンタッチャブル』) 配給:アルバトロス・フィルム 以前も『カジュアリティーズ』で、ベトナム戦争時に起きた少女暴行&射殺事件を描いたデ・パルマからすれば、この事件は「またか」という思いなのだろう。前回はショーン・ペンのようなスターも出ていたが、本作では兵士が撮ったビデオ映像や、テレビ番組によるドキュメンタリー、インターネット映像、監視カメラの映像を組み合わせ、擬似ドキュメンタリーのような凝った映像になっている。しかし映画の出来というと、最近見た映画の中ではかなり不快感が残った。出ている俳優の演技が薄っぺらで、とことん安い。それが狙いなのかもしれないが、単に「バカでマヌケなアメリカ白人」にしか見えず、見ていてずっと不快だった。もっと演技力がある俳優が、とことん嫌な奴を演じる方が良かったのではないか。夏に公開されたイラク駐留兵士の犯罪を描いた『告発のとき』にも嫌な兵士は出てくるが、そちらのほうがリアリティを感じた。 しかし、案外そのぐらい薄っぺらな兵士でなければ、こんな酷い犯罪は犯さないのかもしれない。平和な日本に駐屯している米兵さえ似たような事件を起こしているのだから。そこにアメリカの根深い病を感じてしまう。でもやっぱり、好きな映画ではないな。(★☆前原利行) ・本作はアメリカでは興行的にはコケ、まったく当たらなかった。アメリカ人自体に、もう「嫌な自分」を見たくないという空気が蔓延しており、イラク戦争の負(しかないが)を描いた映画が敬遠されている。また「アメリカの敵」に肩を持つ「反米」映画とも見られているようだ。
■リダクテッド 真実の価値/Redacted

実際にイラクで起きた「事件」をデ・パルマ監督で映画化。
ドキュメンタリータッチで凝った作りだが、とても不快感が残った
出演:パトリック・キャロル、ロブ・デヴァニー、イジー・ディアズ
公開:10月25日よりシアターN渋谷にて
上映時間:90分
公式HP:www.cinemacafe.net/official/redacted/
■ストーリー
イラクのサマラに若い米軍兵士たちが駐屯している。帰国後、映画学校に行くというサラサールは、いつもビデオカメラを回して仲間たちを撮っていた。彼らの任地は戦場ではなく検問所。退屈な毎日が続くが、危険に変わりない。ある日、減速指示を無視した車を仲間のフレークが撃つが、中にいたのは産気づいたイラク人の妊婦だった。血に染まった妊婦はまもなく死ぬ。しかしフレークは「魚を殺した程度」とうそぶく。曹長が爆弾で死んだころから、フレークらはイラク人への憎しみを増していく。やがてフレークは仲間を誘い、目をつけた15歳の娘のいる家に押し込む。その模様をサラサールのカメラが撮り続けていた。
■レヴュー
■関連情報
・2007年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞
■DVD情報
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