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■線路と娼婦とサッカーボール/The Railroad All Stars

2006年/スペイン

監督:チェマ・ロドリゲス
出演:リネア・オールスターズのメンバーたち

配給:アニープラネット
公開:12月22日〜1月18日シアターN渋谷にて
上映時間:90分
公式HP:shoufu-fc.com/

線路沿いの貧民街に暮らす娼婦たちが、自分たちの権利を主張するためサッカーチームを結成した!。
その姿を追いながら、彼女たちの生きる過酷な状況を映し出すドキュメンタリー

 
■ストーリー
 
グアテマラシティの一角、そこにはリネア(線路)と呼ばれる廃線沿いに延びる貧民街がある。そこに住む、たった2ドル半という安い報酬で働いている多くの娼婦たち。彼女たちは自分たちの権利を訴えようと、サッカーチーム「ラ・リネア・オールスターズ」を結成する。権利を訴えようとしてデモをしても、誰も目を向けない。サッカーチームを作って試合に出れば目を引くと思ったからだ。彼女たちはフットサルの試合に出るが、相手チームは高校生。しかもその親から抗議を受け、チームは大会から排除されることに。しかしそれがニュースになり、やがてオールスターズに次々に試合が舞い込むようになる。
 
■レヴュー
 
グアテマラに限らず、中米諸国のすべては貧富の差が激しい。また内戦の名残か大量に銃が出回り、昼間でも地区によってはかなり治安が悪く、住民は絶えず暴力にさらされている。また、「ラテン系」ということで、人々はオープンで陽気といった明るいイメージがあるが、その反面、男性のマッチョ傾向が強く、暴力がはびこっている。とくに女性は虐げられ、家庭内暴力や性的暴力にさらされる傾向にある。住民のほとんどはカソリックで、保守的。娼婦は殺されても同情されない。

そんなところで娼婦たちがサッカーチームを作った。決して強くはない。負けてばかりいる。しかし彼女たちにとって勝ち負け以上に、自分たちの存在を社会に認めてもらうことが大事なのだ。「娼婦」ではなく、一人一人の「女性」として。このドキュメンタリーはサッカーチームとしての彼女たちの姿を追う一方で、メンバー一人一人のインタビューを通して個人のヒストリーを探り、彼女たちのいる社会を浮かび上がらせているのだ。(★★★前原利行)


■映画の背景
 
・彼女たちが住むリネアは、グアテマラシティの町外れではなく、町の中心を走っている線路沿いにある。危険地帯は町の中心と隣りあわせなのだ。

・彼女たちが途中で国内遠征をするが、その時初めてカリブ海(リヴィングストン)、ティカル遺跡(フローレス)を訪れた者も多いことがわかる。彼女たちにとって、国内旅行でも贅沢なのだ。フローレスで彼女たちが試合をするのは、旅行者にはおなじみのフローレス島の中央の高台にある小さな公園。

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