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■プール

チェンマイの郊外のゲストハウスで働く母親のもとに娘がやってくる
『めがね』と主要キャストは同じで、雰囲気もほとんど同じ

2009年/日本

脚本・監督:大森美香(『デトロイト・メタル・シティ』『ヘブンズ・ドア』脚本)
原作:桜沢エリカ(『天使』『贅沢なお産』)
出演:小林聡美(『かもめ食堂』『転校生』』)、加瀬亮(『それでもボクはやってない』『硫黄島からの手紙』)、伽奈、もたいまさこ(『ALWAYS 三丁目の夕日』『かもめ食堂』)

配給:スールキートス
公開:9月12日より、シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー
上映時間:96分
公式HP:www.pool-movie.com

 
■ストーリー
 
タイのチェンマイ郊外にあるゲストハウスに、大学卒業を控えた娘・さよが母・京子を訪ねてやってくる。京子は4年前にさよを祖母に預けて家を出、今はこのゲストハウスで働いていた。ここには仕事を手伝う市尾、タイ人の子供ピー、そしてオーナーの菊子がいた。ピーの行方不明の母親を探す手伝いをする市尾だが、なかなかうまくいかない。いつも穏やかな菊子だが、余命わずかと宣告されている。そんな彼らと楽しそうに暮らす母を見て、さよは戸惑いを感じる。最初はかたくなだったさよだが、次第に自分の心が開かれていくのを感じるようになる。帰国が迫り、さよはそれまで自分に溜まっていた気持ちを京子にぶつける。
 
■レヴュー
 
出演者の顔ぶれを見て、「なんだか『めがね』と同じだな」と思ったアナタ。その勘は当たっている。舞台はチェンマイ郊外のゲストハウスと聞いて興味が湧いたが、見てみて拍子抜け。別に主人公からしてどこか遠いところだったらどこでも良く、日本でも成り立つ物語だった。そういった意味では、南の島が舞台の『めがね』と設定はそう変わらない。

奔放な母親に置いていかれた娘が、母を恨みながらもゲストハウスに滞在するうちに、次第に母親を理解していくというのが話の軸だ。子供のピーを除けば、セリフのある主要な登場人物は日本人のみで、日本人と現地人の文化の衝突や和解といったテーマはまるでない(血が通っていることを感じさせる現地人がいない)。また、このゲストハウスで他の客の存在が感じられないのも不自然。車がなければ行けない郊外にありながら、ガラガラ。原作は読んでいないのだが、このゲストハウス(といっても中級以上)の経営を心配してしまう。それなら舞台はゲストハウスでないほうが良かったのでは(チェンマイの日本料理店とか)。

それはそれとして面白ければいいのだが、『かもめ食堂』→『めがね』→『プール』と同じようなキャスト、同じような演出を見続けると、ほのぼの路線も食傷気味。出てくる人々はみな善意の人で人間臭さがなく、僕には不気味なほど。なんだか教団の施設での話のようにもみえてくる。

 いろいろけなしてしまったが、こういう映画が好きな人はいるかもしれない。でも制作側が、小林聡美ともたいまさこを使って無難にこなしている気がしてならない。まあ、僕も期待していたほどなので、映画はヒットするのだろうけど。そんなわけで、『かもめ食堂』も『めがね』も観ていない人にのみおすすめ。(★★前原利行)

 
■DVD情報
 
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