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■ワンヴォイス 〜ハワイの心を歌にのせて〜/ONE VOICE
 

(c)2009 Juniroa Productions Inc.
 
ハワイアン・ミュージックを讃えるために、
90年間大切に継承されてきた伝統のイベント
“ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト”を追った感動のドキュメンタリー

2009年/アメリカ

監督:リゼット・マリー・フラナリー

配給:グラッシィ
上映時間:86分
公開:8月6日(土)より、シネクイント他全国公開
公式HP:http://www.onevoicemovie.jp/

 
■ストーリー
 
 ハワイ、オアフ島で創立120年を誇る伝統校カメハメハ・スクール。ハワイアンの血を引く子どもたちが通うこの名門校では、毎年3月に“ハワイアン・スクール・ソング・コンテスト”という合唱コンクールが開催される。9〜12年生2,000人もの生徒たちが、学年ごとに分かれて、すべてハワイ語による合唱で競いあう。生徒たちは、学年ごとにリーダーを選出。1年がかりで猛練習に励む姿を、リーダーとなった生徒の家族、指導者である教師やミュージシャンらのインタビューも交えながら追っていく。
 
■レヴュー
 
 年間100万人を超える日本人が訪れるハワイ。世界屈指のリゾートアイランドとして発展を遂げたハワイは、様々な人種・民族や文化が共存している場所である。ハワイ古来の因習や文化は、過去の一時期、排除・抑圧されていたが、近年、失われつつあった言語の復活など、伝統を取り戻そうという動きが活発になっているようだ。

 このドキュメンタリーの舞台は、120年の歴史を誇る、ハワイアンの子弟のみが通う名門校である。そこでは、毎年ハワイ語の歌(メレ)を歌う合唱コンクールが開かれていて、90年の歴史があるという。9年生は総合(混声)、10年生以上は、男子、女子、総合の三つの合唱があり、それぞれにリーダーを選び、彼らを中心にして、選曲したハワイ語の曲(伝統的な歌も、ハワイ語で書かれた新しい歌もあるのだが)を歌う。今は公用語になったとはいえ、日常語ではない「ハワイ語」を理解し、正しく発音し、同性だけでも200人の生徒をまとめてハーモニーを作り上げていくのは並大抵のことではない。

 カメラは、リーダーとして選ばれた生徒たちにスポットライトを当て、彼らが、家族や周囲の人々に支えられながら、伝統文化の意味、ハワイアンとしてのアイデンティティを見つめ直す姿を追っている。生徒たちの事情は様々。一家で音楽に親しんでいる恵まれた家庭もあれば、両親が服役中で叔父夫婦に育てられているという生徒、毎日100キロの道のりをバスで通学している生徒もいる。両親は世代的にハワイ語を学べなかった事情なども浮かび上がり、興味深い。ただ、リーダーとなったのは、ハワイアンの優等生たち。反発やジレンマを持つ生徒はいなかったのだろうか。他の生徒たちの思いまでは知ることができず、少し残念だ。

 最後のコンクールのシーンは圧巻。男子は力強く、女子はしなやかに、総合では心をひとつにした美しいハーモニーは感動を呼ぶ。ハワイ語がわからなくても歌に込められた「心」は私たちの胸にも響く。生徒たちが受け継ぐものは「博物館の展示品ではなく、生きた文化」そう語る校長の言葉が印象に残る。(★★★☆ 加賀美まき)

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