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■スエリーの青空/O Ceu De Suely

ブラジルの大地で男に裏切られながらも希望をつなぎ、生きていく女性の物語

2006年/ブラジル、ドイツ、ポルトガル、フランス

製作:ウォルター・サレスほか
監督:カリン・アイヌー
出演:エルミーラ・ゲーデス、マリア・メネゼス、ジョアォン・ミゲル

配給:オンリー・ハーツ
公開:2月9日よりシアターイメージフォーラムにて
上映時間:88分
公式HP:www.suely-aozora.com

 
■ストーリー
 
小さな息子を連れ、2年ぶりに故郷の田舎町に帰ってきた21歳のエルミーラ。彼女は恋人のマテウスと駆け落ちするように飛び出し、サンパウロで暮らしていたのだ。ひとまず祖母と叔母が住む家で暮らし、サンパウロに残ったマテウスからの連絡を待つエルミーラだが、やがて彼が戻る気がないのを知る。独りになったエルミーラは、夜遊びに出かけ、かつての恋人と再会。彼に愛されるエルミーラだが、町を出て行きたいという思いは消えない。そこで彼女はある計画を実行に移す。
 
■レヴュー
 
ブラジルの地方に生きる貧しい人々の生活を、主人公エルミーラを通して描いた小品。仕事もあまりない田舎町では、主人公を取り巻く環境に男はいても誰も生活の役に立たないし、また彼女の心の支えにもならない。映画の中で頼りになるのは祖母、叔母、売春をしている友人と、女性たちばかりなのだ。

それでも彼女は男を愛さずにはいられない。サンパウロから帰って来ない男に棄てられた後、エルミーラを愛してくれるかつての恋人が登場するが、彼は彼女を「どこか」へ連れ出すことはできない。エルミーラはまだ21歳なのだ。孤独感を埋めるためにも、また自分の未来に賭けるためにも、この町から抜け出さなくてはならないのだ。そこで彼女はお金を稼ぐため、「スエリー」という偽名を使ってクジを売り出すのだが、その景品は「自分自身」。売るものは自分の体しかないが、かといって売春には抵抗がある。そこで彼女が考えたギリギリのところがこの方法だったのだろう。

ブラジルは行ったことがないが、バスがたまにしか止まらないようなこの町の風景は、どこかで見たような懐かしさを感じた。製作には『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレスの名が連なっているが、彼の一連の作品に通じる、社会の片隅に生きる人々へ対する暖かい眼差しがここにもある。(★★☆前原利行)

 
■映画の背景
 
・この物語には実話の元ネタがあるという。「町から出るための資金集めのために、自分の身体を抽選クジの商品にした」という、ブラジルで新聞記事になった女性の話をヒントにしたという。

・本作の舞台となるのは、ブラジル北東部にあるセアラー州の田舎町イグアトゥ。主人公エルミーラを演じているエルミーラ・ゲーデスは、その隣のペルナンブコ州のオリンダ市出身だ。

 
■DVD情報
 
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