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■1000の言葉よりも ―報道写真家ジブ・コーレン/More Than 1000 Words


(c)ziv koren

言葉より雄弁なもの。それは一枚の写真。
ジブ・コーレンの姿を通し、報道写真家の世界を知るドキュメンタリー

2006年/イスラエル

ドキュメンタリー

監督・撮影・編集:ソロ・アビタル

配給:アップリンク
公開:6月14日〜7月11日東京都写真美術館にて上映(月曜休映)
上映時間:87分
公式HP:www.uplink.co.jp/1000words/

 
■レヴュー
 
 ジブ・コーレンはイスラエル人の報道写真家だ。今までにもパレスチナや報道写真家についてのドキュメンタリーは見てきたし、秀作も多い。しかし主人公(語り手)となる写真家がイスラエル人であることは始めてだった。ジブは撮影者でもあるが、紛争の当事者でもあるイスラエル人なのだ。

 イスラエル人である彼がパレスチナ人の中に入り、紛争を取材することには、利点もあるがマイナス面もあるという。また、彼の家族にとっても紛争は遠い国のことではないため、余計に心配が高まるだろう。テルアビブに住むジブの家庭や仕事場のすぐ近くでも自爆テロは起きる。

 このドキュメンタリーの中盤で、今日の彼の出発点となった一枚の写真が映し出される。それは自爆テロで爆破されたバスの写真だ。骨組みだけになったバスの中からはみ出た死体。その破壊力のすさまじさ、一瞬にして命を奪われた体、それを呆然と見つめる人…。今見ても衝撃的なこの写真で世界中のコンクールで賞を総なめにした彼だが、現場を目の当たりにしたトラウマは今も心の中に残っていると言う。

本作はジブ・コーレンのプロフェッショナルな仕事ぶりをクールに追いながらも、危険への恐れ、家族への愛情、それに相反する仕事に行くジレンマなど、彼の内面にも迫っていく。彼の妻(モデルのようにきれいと思ったら本当のモデルだった)が、危険な地域へ出かける夫への心配を語るシーンがある。ジブ・コーレンがある賞を受賞したことについて、彼女は「これは彼が受賞したのではなく、私への賞。ずっと彼を心配し続けた、私へのご褒美」と言っていたのが印象的。そう思わなければ、やっていられないだろう。

本作の中で印象的なジブの言葉があった。「報道写真家は他の写真家とは違う。出かける時は常に撮影道具を持ち歩く。いつ何が起きるかわからないからだ。つまり生活のすべてを捧げなければできない」。それが報道写真家なのだろう。(★★★前原利行)

 
■関連情報
 
・本作の公開と同時期の6月14日〜7月11日に東京都写真美術館にて、「世界報道映画特集 ジャーナリストたちが記録した、その瞬間」と題された、ドキュメンタリー映画を連続上映する。本コーナーでも取り上げた作品を含むおもな上映作品は、『プロミス』『パレスチナ1948 NAKBA』『ガーダ パレスチナの詩』『パラダイス・ナウ』『ビルマ、パゴダの影で』など。詳細はhttp://www.syabi.com/

・6月10日〜21日、BankART 1929 Yokohama/3F 1929スペースにて「1000の言葉よりも ジブ・コーレン報道写真展」を開催中(11:30〜19:00/600円)。また、6月13日にはジブ・コーレンが来日し、報道写真ワークショップも行う(有料・予約先着順)

 
■DVD情報
 
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