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■ションヤンの酒家(みせ)/(原題 :生活秀)Life Show

2002年 中国

監督:フォ・ジェンチイ(『山の郵便配達』)
出演:タオ・ホン タオ・ザールほか
  
配給:日本ヘラルド映画
上映時間:106分
公式サイト→
http://www.syonyan.com/
公開:2004年正月第2弾 シャンテ・シネ2にて
 
 
 
■ストーリー
 
 急激な都市開発が進行中の中国・重慶。古い町並みの残る屋台街で『久久(じゅうじゅう)』という店を営んでいるションヤン。彼女は少し陰があるが気丈で美しく、彼女目当てにやってくる客も多い。なかなか店は繁昌しているようだ。しかし、子供をほったらかしにする身勝手な兄夫婦や麻薬中毒で施設に入っている弟、母親の死後家を出っていったきり帰ってこない父親・・・と実は相当な問題を抱えている。そんな中、毎夜店に通う優しげな中年男性がいた。気丈にふるまっていた彼女は彼に惹かれていくのだが・・・・・。
 
■レヴュー
 
 重慶駅の改札を出て空を仰ぐと、要塞のような町並みが飛び込んで来た。SF映画に出てきそうな風景だった。数年前、三峡下りのために、成都から汽車に揺られてこの街にやってきた時のことだ。
 ションヤン役のタオ・ホンという女優は藤田朋子とNステの渡辺真里を足して2でわったような風貌をしている。こんな女、重慶に存在するかなあ、と疑問だったのだが、彼女は実際に重慶出身だそうだ。彼女の幻想的な雰囲気と、この映画のもう一人の主役である重慶の町並みが合いまって、不思議な魅力を放っている。
 物語は彼女とその周りにいる女性たちとの対比で見せようと意図してるみたいだが、ちょっと作り込み過ぎで散漫な感もある。少々頭の禿げ上がった中年男との恋模様に最初はええ?マジ?と思いつつも次第に引き込まれてしまう。
 主人公ションヤンは、<女>という武器を捨てず、気丈に、自分らしく生きるというカッコイイ女性なのだが、どこか痛々しい。おいおい、そんなに無理するなよ、といいたくなる女性。周りにひとりくらいはいるでしょ?しかし、そんな生き方に勇気づけられたりもするのだ。
 重慶に着いたその晩は名物の火鍋を食べた。唐辛子と山椒がふんだんに使ってあるので火を吹くほど辛く、味が分らなくなるほど、舌が痺れる。おまけに唇まで腫れぼったくなる。食べ終わった後も、ヒリヒリはなかなか消えなかった。この映画を観た後もそんな感覚が残る。
★★☆(カネコマサアキ)


 通俗的なストーリーと感じるのは、この映画にどこか昭和30〜40年代に作られた日本映画のテイストがあるからなのだろうか。高度成長時代の日本のように、庶民的な屋台街が地上げにあって消える運命という重慶。そこに住む人々はみなどこかドロ臭い。すでに使い古された演出はクサいといえばクサいのだが、昔見たことがあるようなノスタルジックな味わいがあり、その中にいても居心地は悪くない。それは主人公ションヤンを演じるタオ・ホンの魅力が大きい。生活力はあるが男運がない、面倒見はいいがしたたかな反面もある。こんな人が飲み屋のママさんだったら、僕も通ってしまいそうだ。ちょっと60年代的なルックスも魅力的で、僕は彼女を見ているだけで満足した。なので、彼女がなぜあんなオヤジに惹かれるかが説得力に欠けた。札を渡しながら「ツリはいいよ〜っ」と言って受取ったションヤンの手を握る中年男。官能的というより、「単なるセクハラオヤジじゃん!」とスクリーンに向かってツッこみを入れている自分がいた。
★★☆(前原利行)

 
■関連情報
 
2002年上海国際映画祭/最優秀女優賞、作品賞、撮影賞
2002年金鶏賞/最優秀脚本賞、主演女優賞
 
■映画の背景
 
 映画の舞台は中国の大都市・重慶。川を渡るロープウェイのシーンが印象的だが、2003年9月に公開されたコン・リー主演の『たまゆらの女』もこの町を舞台にしている。
 
■DVD情報
 
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