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■ハートブレイカー/L'ARNACOEUR


(c) 2010 YUME-QUAD FILMS / SCRIPT ASSOCIES / UNIVERSAL PICTURES INTERNATIONAL / CHAOCORP

ヴァネッサ・パラディ×ロマン・デュリス初共演。
「別れさせ屋」の男とセレブなキャリアウーマンのスリリングなロマチック・コメディ。

2010年/フランス、モナコ

監督:パスカル・ショメイユ
脚本:ローラン・ゼイトゥン
出演:ロマン・デュリス、ヴァネッサ・パラディ、ジュリー・フェリエ、フランソワ・ダミアン

配給:熱帯美術館 / 配給協力:フェイス・トゥ・フェイス
上映時間:1時間45分
公開: 10月29日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにてロードショー
公式HP:http://www.heartbreaker.jp

 
■ストーリー
 
 凄腕の「別れさせ屋」アレックス(ロマン・デュリス)。彼のビジネス上のルールは、不幸な女性だけをターゲットにし、彼女たちに真実を気づかせ、決して深入りしないということ。そんな彼の新たなターゲットは、10日後にモナコでイギリス人青年実業家と結婚する勝気な美女ジュリエット(ヴァネッサ・パラディ)で、10年間絶縁状態にある娘を取り戻したいという父親が依頼人だ。

 アレックスは、チームを組む実姉とその夫と共にモナコ入りする。ところが、ターゲットのジュリエットは、婚約者との仲も良好で付け入る隙を与えず、逆に自分の方が手玉にとられてしまう。焦ったアレックスは、体当たりで彼女に近づくのだが……。

 
■レヴュー
 
 口八丁手八丁、やり手の「分かれさせ屋」アレックスは、よくない男に夢中になり、自分の不幸に気づかない女性たちを目覚めさせる、というのが仕事上のポリシー。接触はキスまでで、それ以上の深入りは御法度だ。オープニングのモロッコ、ターゲットへの仕掛けに始まり、偶然を装った出会い、女心を動かす演出、最後は手慣れた芝居で、女性はあっという間に心変わりするというわけだ。そんな百戦錬磨の「別れさせ屋」が、仕掛けた相手に恋してしまう、という常道のお話なのだが、軽快でスリリング、なかなか面白いラブコメになっている。

 アレックスを演じるのは、『真夜中のピアニスト』などで知られるロマン・デュリス。こんなに軽妙で面白い彼を見るのは初めてでとても新鮮だ。最初は手だれの仕事人に見えたアレックスなのだが、手強い相手に悪銭苦闘し、心が揺れていく姿が次第に可愛く見てくる。ジュリエットの好きな歌手のジョージ・マイケルや映画『ダーティ・ダンシング』をネタに、必死で彼女の心の中に入り込もうするあたりも笑いを誘う。そのジュリエットには、フレンチ・ロリータを代表する歌手で女優、ジョニー・デップのパートナーとしても知られるヴァネッサ・パラディ。勝ち気なセレブ女性を魅力的に演じてこちらも新境地。なかなか隙を見せないジュリエットに観客はやきもきさせられ、この二人の競演が一番の見所だ。

 ジュリエットは不幸な恋をしているわけではなく、アレックスも背に腹は代えられず引き受けてしまった仕事。当然、恋の駆け引きはなかなか進展せず、タイムリミットが近づいても二人の距離はいっこうに縮まらない。ラブコメなら、最後に二人は結ばれるはずなのに、もしかして違う展開なのかもと思わせるほど、先が読めず、観客をラストまで飽きさせない。

 他にも、「別れさせ屋」の裏方として動く、アレックスの実姉とその夫のコンビが見所。綿密は情報収集から「別れ」の筋書きを作り、仕込み、演出するのは実は彼ら。劇中、変装してあちこちに出没し、次々と繰り出す手練手管に思わず笑ってしまう。また、モロッコから、美しい海が目の前に広がるモナコへ。オールロケによる美しい風景も楽しめる。(★★★ 加賀美まき)

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