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■九月に降る風/九降風

高校生活の最後の一年間、7人の仲間たちが過ごした日々を
ノスタルジックに描く、台湾から届いた青春群像劇

2008年/台湾、香港

監督:トム・リン
出演:リディアン・ヴォ―ン、チャン・チエ、ワン・ポーチエ

配給:グアパ・グアポ、アジア・リパブリック
公開:8月下旬、ユーロスペース、シネマート新宿
上映時間:107分
公式HP:www.9wind.jp

 
■ストーリー
 
1996年、台湾の地方都市・新竹の高校へ通う若者たちがいた。イケメンで女にもてながらも男気があり、皆のリーダー格であるイェン、その友人だが生真面目で性格も異なる優等生のタン、落第生のヤオシン、1年生のチーションとチョンハンら男子7人は、年齢も性格も違うが大の仲良しだ。野球場で暴れたり、夜の学校のプールに忍び込んだりと、自由気ままな日々を過ごしている。チーションとチョンハンのクラスメイトのペイシンは、彼らを上級生の「不良グループ」から抜け出させようとブラバン部に入部させようとする。ある夜、ビリヤード場でイェンと間違えられたタンは、イェンがナンパした女の子の彼氏に殴られ、ケガをしてしまう。タンはイェンの彼女のユンにひそかに恋をしていた。その事件をきっかけに、彼らの関係は次第にギクシャクしていく…。
 
■レヴュー
 
台湾の学生にとって、九月は卒業と入学の出会いと別れの時期。本作は、新学期開始から卒業式までの一年間に、仲良しだった仲間たちの関係が変化していく様子が、丁寧に描かれた作品だ。日本映画だとどこか過剰になってしまい、さらりと描くのが難しい青春もの。しかし、何年か前に封切られた「藍色夏恋」もそうだが台湾映画は、そうした「さらり」を描くのが実にうまいなあと感心する。

歌の文句ではないが、青春時代は時間がたってから後から気づくものだ。本作の登場人物たちも、永遠に続くと思っていた関係も、いつか終わりが来ることに気づいていく。いや気づかされていくと言うべきか。ただ一緒に時間を過ごすだけで楽しい毎日。それが他の世界を知り、物足りなくもなってくる。新しい出会いも欲しくなる。友達と遊ぶより、彼女といるほうが楽しくなる。自分を守るためにウソをつき、結果的に友を裏切ることもある。それも大人になるということなのだ。このドラマには女の子たちも出てくるが、あくまで脇役。しかしその脇役達の比重が高くなってくと、男同士の関係も崩れていく。

さらに本作では、主人公達が熱中するプロ野球選手たちが八百長に関わっていたという、「野球賭博疑惑事件」が背景に描かれている。これは10年ほどの前に台湾であった実際の出来事だが、時代設定を少し前にすることにより、物語はノスタルジーも感じられる作りになっている。なかなかのさわやかな佳作だ。(★★★☆前原利行)

 
■DVD情報
 
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