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■イノセント・ボイス 12歳の戦場/Voces Inocentes

Voces Inocentes
2004年 メキシコ

監督・製作・共同脚本:ルイス・マンドーキ(『コール』『メッセージ・イン・ア・ボトル』)
脚本:オスカー・トレス
製作総指揮:ローレンス・ベンダー(『キル・ビル』『グッド・ウィル・ハンティング』
出演:カルロス・バディジャ、レオノラ・ヴァレラ、ホセ・マリア・ヤスビク、ダニエル・ヒメネス=カチョ

配給:アルバトロス・フィルム
公開:1月21日よりシネスイッチ銀座ほかにて

公式ホームページ:www.innocent-voice.com
 
■ストーリー
 
戦争を始めるのはいつでも大人たちだが
犠牲になるのは子どもたちだ


『キル・ビル』などタランティーノ映画で知られる、ハリウッドの大物プロデューサーのローレンス・ベンダーと、『コール』といった商業映画を撮っている監督ルイス・マンドーキの組み合わせのこの作品に、正直言って僕はあまり期待をしてなかった。ところがその先入観はいい意味で裏切られた。派手さを抑えた丁寧な演出で、共感を呼ぶメッセージ性の強い佳作だったからだ。
 時は1980年、内戦下にある中米の小国エルサルバドルに生きる11歳の少年チャバがこの映画の主人公だ。彼の住む小さな町は、政府軍とゲリラの勢力のほぼ境界線にあるため、銃撃戦が日常的に行われていた。チャバの家族は父親がアメリカに働きに行ったまま帰ってこないため、母と妹の3人暮らし。時おり銃弾が家に撃ち込まれ、近所の幼なじみの少女が流れ弾に当たって死んでしまうような日々だ。兵士が足りない政府軍は、男の子が12歳になるとトラックで学校に乗り付け、無理やり連れて行ってしまう。12歳になるのを恐れるチャベだが、友達と遊んだり、初恋をしたり、ゲリラになっているおじさんから歌を教えてもらったりするような、日常もある。
 しかし、ついに12歳の子どもたちを政府軍が徴収にやってくる日がきた。それから逃げるためには、反政府ゲリラに身を投じるしか道はなかった…。
 
■レヴュー
 
 ふつうに子どもらしく暮らすことが許されない少年たち。何のために誰が始めた戦いなのか、意味さえもわからずに銃を持たされ、人を殺すことを教え込まされる。それを教えるのは大人たちだ。子どもは自分で自分の人生を選ぶことができないのだから。
 この映画は、脚本を書いたオスカー・トレスの少年時代の体験をもとにしたものだ。トレスはアメリカに出ることに成功したが、友達や家族を置いて自分だけ国を抜け出したことに、ずっと罪悪感を抱いていたという。状況を変えることができなかった子どもであった自分に。
 いまでも世界のどこかでは、子どもたちの手に銃を握らせている大人たちがいる。自分が肥えるために。そしてやりきれないのは、降りしきる雨の中、子どもたち、そして力なきものたちの命を奪うものも、彼らの将棋の駒にしか過ぎないことだ。(★★★☆前原利行)
 
■DVD情報
 
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