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■ビッグ・バグズ・パニック/Infestation

巨大昆虫VS人類!
ダメ男クーパーは世界を救えるのか!?

監督・脚本:カイル・ランキン
出演:クリス・マークエット(『スウィート・ナッシング』『ウィッチマウンテン 地図から消された山』)、ブルック・ネヴィン(『ラストサマー3』)、レイ・ワイズ(『ツイン・ピークス』、『ロボコップ』『グッドナイト&グッドラック』)

配給:プレシディオ
公開:11月28日(土)銀座シネパトスほか全国ロードショー
上映時間:91分
公式HP:www.mushi-panic.jp

 
■レヴュー
 
 気が付いたら世界が滅亡しかかっていて、わずかに残った仲間を引き連れサバイバル、リーダーはもちろん自分、というのはボンクラなみなさんなら一度は妄想した設定だろう。実際、邦画なら(アニメーションだが)『うる星やつら2 ビィーティフル・ドリーマー』、洋画ならかの名作『ゾンビ』のリメイク『ドーン・オブ・ザ・デッド』や、各種ゾンビ映画のパロディ『ショーン・オブ・ザ・デッド』など、登場人物も客層もボンクラ揃いの作品にこうした設定を持つものが多いように思える。

 本作もまた、そうしたタイプの系譜に連なる作品のひとつ。世界滅亡後を描くSFという皮を被りながら、ダメ人間の主人公が勇気を奮い起して敵を蹴散らし、自分自身の問題とも闘いながら前へと進む、ダメ人生克服ものの一本だ。

 が、先に挙げた三作は同タイプ作品群の中でも傑出した作品であり、あれらと比較してしまえば本作は相当に分が悪い。普段はダメ社員ながらいざというときに気になる女の子を守る!とか、一度も自分を認めてくれなかった父親を見返してやる!といった要素は用意されているものの、それらが単なるお約束の域を出ていないのである。早い話、ぐっとくるはずの克服シーンでいまひとつぐっとさせてくれない。

 一応SFホラーコメディという体裁ではあるが、ギャグ自体も先の『ショーン・オブ・ザ・デッド』のようにアイデアが練られているわけではなく、それどころか笑いどころの大半は日本版の予告編でほとんど網羅されているほどの軽いものばかりだ。

 とはいっても、作品の出来は決して雑ではない。特撮には『スターシップ・トゥルーパーズ』のスタッフが参加したというだけあって巨大昆虫の描写は見事に気持ち悪くて楽しいし、『ツイン・ピークス』のレイ・ワイズや『スタートレック エンタープライズ』のリンダ・パークら、海外ドラマファンならおなじみの俳優が顔を見せてくれるのもうれしい。描くべきテーマや出来事に対するツッコミの甘さはあるが、演出自体は手堅くテンポも速く、目新しさは特にないものの、そういうジャンルのB級映画だという前提で観れば90分間過不足なく楽しめる。ある意味余計なことをしないで教科書通りに作った見本のような作品ともいえるだろう。ボンクラSFホラーコメディの入門用にちょうどいいかも。(★★★田中元)

 
■DVD情報
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