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■グッド・モーニング・プレジデント/Good Morning President

日夜、政務に励む大統領も実は悩みを抱えるひとりの人間。
公私を懸命に生きている愛すべき3人の大統領が繰り広げるハートフルな物語。

2009年/韓国

監督・脚本:チャン・ジン
出演:チャン・ドンゴン、イ・スンジェ、コ・ドゥシム、イム・ハリョン、ハン・チェヨン

配給:エスピーオー
上映時間:129分
公開:7月24日(土)東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋、ほか全国ロードショー
公式HP:www.goodmorning-p.com

 
■ストーリー
 
 任期終了まで半年となった大統領キム・ジョンホ(イ・スンジェ)は、前職大統領の恩赦案が紛糾し苦慮していた。そんなある日、招待されたイベントで応募したロトくじに当選。当選の暁には全額を寄付すると宣言していたため、それを公言するかどうかが彼の最大の悩みとなってしまう・・。

 半年後、キム大統領の盟友の息子で、妻と死別し5歳の息子を育てるチャ・ジウクが最年少で大統領に就任。朝鮮半島を巡る有事に手腕を発揮する一方、キム大統領の娘で初恋の相手だったイヨンと再会し動揺を隠せない。そんな中、市中へ視察に出た際、謎の男に襲われてしまう・・。

 法務長官、野党党首を歴任し、韓国初の女性大統領に就任したハン・ギョジャ。平凡な夫のチャンミョンは、多忙となった妻や窮屈な青瓦台の暮らしにストレスを感じ始め、ある日酔って失態を演じてしまう。土地購入に絡んだスキャンダルにも巻き込まれ、二人は離婚の危機に陥ってしまうのだが・・。

 
■レヴュー
 
 3代の大統領を主役にした、3つのエピソードからなるオムニバス風の作品。それぞれの大統領は、恩赦、軍事、土地法案といった政治・政策の難題を抱えているのだが、物語は大統領たちのプライベートな悩みにスポットを当てている。重責を負う大統領も生身の人間。滑稽な一面を見せたり、動揺したり、熱くなったりする素顔に共感できる作品になっている。

 エピソード1で、キム・ジョンホ大統領を演じるのは名優イ・スンジェ。エピソード3では、演技派の名女優コ・ドゥシムとベテランのイム・ハリョンが大統領夫婦を演じている。

 大統領役がぴったりのイ・スンジェだが、ロトくじに大当たりし、右往左往するコミカルな姿や、大統領の任期までに当選の事実を明かすか、大金を得て豊かな老後をおくるかで心痛する姿が見所。選んだ番号「680219」の意味が最後に明らかになるところも心憎い。

 また、女性初の大統領となった妻とその夫の顛末記では、二人のベテラン俳優の演技が素晴らしい。中年夫婦のすれ違いはどこにでもあるが、妻が大統領ともなれば、ただ事ではすまされない。それをユーモアたっぷりに、ラストは心を打つう物語に仕上げている。

 注目すべきは、エピソード2で韓国のJFKと呼ばれるハンサムな大統領を演じる、4年ぶりスクリーン復帰のチャン・ドンゴン。彼を全面に押し出した韓流作品なのかと思いきや、すっきりと痩せていつもの男っぽさを封印し、3人の大先輩から一歩引いた立ち位置で青年大統領を好演している。カリスマ性を持ち、国政に手腕を発揮する大統領でありながら、初恋の女性の前では限りなく小心なシングル・ファーザー、という役所を等身大に演じていて印象的だ。

 この3人の大統領の素顔を知り、3つの話をつなぐのがイ・ムンス演じる大統領府の料理長。激務に追われ、厳しい判断を迫られ悩む大統領が、ふらっと厨房を訪れ、夜食のラーメンをすすったり、素顔を見せて、人生相談を持ちかけたりするのである。また、演技派俳優たちが多数出演する群像劇のような演出もおもしろく、笑いあり、涙ありの展開で、物語は見事に紡がれていく。『ガン&トークス』『拍手する時に去れ』(監督・脚本)、『トンマッコルへようこそ』(脚本)で知られるチャン・ジン監督のセンスが光る作品である。(★★★★ 加賀美まき)

 
■DVD情報
 
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