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■エリックを探して/Looking for Eric

イギリスの名匠ケン・ローチの新作は、初のコメディ
サッカーのスター、エリック・カントナの出演も話題だ

2009年/イギリス、フランス、イタリア、ベルギー、スペイン

監督:ケン・ローチ(『麦の穂を揺らす風』『この自由な世界で』)
出演:スティーヴ・エヴェッツ、エリック・カントナ

配給:マジックアワー、IMJエンタテインメント
公開:公開中。Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町にて
上映時間:117分
公式HP:www.kingeric.jp

 
■ストーリー
 
マンチェスターの郵便局員のエリックは、ある日パニック障害の発作を起こし、交通事故を起こす。別れた最初の妻に、どうしても声をかけられなかったのだ。出て行った2度目の妻の連れ子のライアンとジェスと3人で暮らしているエリックだが、息子たちの前でも彼は威厳を示せない。元気の無いエリックを仲間たちがはげますが、エリックの気分は晴れなかった。その夜、エリックが部屋に貼られたサッカーのかつての名選手エリック・カントナのポスターに愚痴をこぼしていると、突然、部屋にカントナが現れた! これは夢? カントナはエリックを勇気づけ、前向きに生きていくように諭していく。
 
■レビュー
 
とにかくどの作品にもハズレがなく、観てソンはないと断言できるのが、イギリスの名匠ケン・ローチ監督。常に社会問題に取り組み、弱者の目線で映画を撮り続けてきている、バリバリの反体制派だが、そんな彼らしく本作が初のハッピーエンド作品となるという(笑)

 主人公エリックは、30年前に別れた妻リリーが相変わらず美しく溌剌としている姿を見て、自分がダメ人間かを自覚して落ち込む。そんな彼の前に、かつて応援していたサッカー界のスーパースターが現れ、人生のアドバイスをする。エリック・カントナは90年代にマンチェスター・ユナイテッドで活躍していた名選手で、演じるのはエリック・カントナ本人(カントナは本作の製作総指揮も勤めている)。エリック・カントナが見えるのはエリックだけで、アドバイスをするというのは、往年のウディ・アレン主演作『ボギー!俺も男だ』を連想するが、そこまでコメディコメディもしていない。主人公エリックが抱える問題は、他のローチ作品同様、ずっとリアリティがあるからだ。

エリックの義理の息子たちは、一歩間違えればローチの『SWEET SIXTEEN』の少年のようになる可能性もあるが、ここではエリックに励まされたエリックによりトラブルを乗り越え、家族の絆を深めていく。そしてボンクラだと思っていた仲間たちの助けによるすてきなハッピーエンドにより、気持ちよく映画館を後にできるだろう。(★★★☆前原利行)

 
■DVD情報
 
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