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■デック 子どもたちは海を見る

2005年/タイ/1時間40分
監督:ポップ・アリヤー・チュムサイ、ニサ・コンスリ
撮影・編集:ニサ・コンスリ
全国で自主上映中
公式サイト:http://www.tpak.org/dek/home.htm
 
■レヴュー
 
 タイ北部のミャンマー国境付近には、山岳少数民族(カレン、ラフ、リス、モン他)が厳しい暮らしを強いられている。本作は、舞台となるチェンマイ県メートー村にある小中学校のあり方を通して、地味ながらも明日への希望が静かに見えてくる作品。

 「貧しいけれど哀れな子どもでははい」と校長先生は言うが、それどころか、経済的に貧しいからこその人の繋がりの濃さ・豊かさが映画の中には溢れている。本来そうあるべき、日本でもかつてはそうあったはずの人々の関係、大人と子ども達の姿がある。

 この小中学校には約400人の生徒が通い、親元を離れた約250人が住み込みの先生達15人と一緒に寮での共同自炊生活をしている。勉強の傍ら、野菜を作って売ったり、農家の手伝いなどをして、生まれて初めて海へ行くための修学旅行の費用を作る。

 監督のタイ人女性二人だが、アメリカで生まれ育った作家で女優でもあるアリヤーと、海で遊ぶ子ども達との出会いがきっかけとなり、ニサが一年間、学校で子ども達と共に暮らし、その姿を記録した。

 日本版制作は、この学校を十数年に渡って支援してきたNGO地球市民ACTかながわ/TPAKが中心になって行われたものだが、日本からの地道な支援が確実に役立っている様子を見られるのも嬉しい。14年前40人だった生徒の数は10倍に、村に中学がなく0%だった中学進学率は100%に、高校や専門学校への進学率も88%、さらに大学進学者13人を出すまでになっている。★★★(今野)

※若干異なりますが、原文は国際協力事業団JICAが編集・発行している『monthly Jica』誌の'06年7月号の映画紹介コーナーに書いたものです。

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