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■ダージリン急行/Darjeerling Express

インドを舞台に列車で旅をするダメな3兄弟は、絆を取り戻すことができるのか
オフビートなコメディ・タッチは健在だが、今回は少しから回り

2007年/アメリカ

監督・脚本:ウェス・アンダーソン(『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ライフ・アクアティック』)
出演:オーウェン・ウィルソン(『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『シャンイハイ・ヌーン』)、エイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』『キングコング』)、ジェイソン・シュワルツマン(『天才マックスの世界』『マリー・アントワネット』)、アンジェリカ・ヒューストン(『女と男の名誉』『アダムズ・ファミリー』)

配給:20世紀フォックス映画
公開:3月8日よりシャンテシネ、恵比寿ガーデンシネマ、新宿武蔵野館
上映時間:91分(短編『ホテル・シュヴァリエ』13分)
公式HP:www.darjeeling-movie.jp

 
■ストーリー
 
インド北西部を走るダージリン急行。そこに長男フランシスの呼びかけで、次男ピーターと三男ジャックのホイットマン3兄弟がやって来る。父の死をきっかけに一年間絶交していた彼らだが、フランシスはインドの旅を通じて、再び兄弟の結束を高めようとしていた。しかし兄弟たちはそれぞれに個人の問題を抱えており、ささいなことで口論になり、いがみあいが絶えない。それでも、三人は人生を変える旅を必要としていた。しかし、あるトラブルから三人は列車を放り出されてしまう。
 
■レヴュー
 
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ライフ・アクアティック』と一筋縄ではいかないコメディを送り出しているウェス・アンダーソン監督。そこはかとない悲しみと笑い、人生は悲劇かもしれないが、何とか生きていかねばならない。そんなユーモアは最近のアメリカ映画にはなかったもので(ニューシネマっぽい)、また60〜70年代の古いロックが画面に加わると不思議なマジックが生まれ、面白い感覚だった。使い古された曲に、新しい命が宿ったかのように。

さてこの期待の新作は、常連のオーウェン・ウィルソンにアカデミー賞俳優エイドリアン・ブロディ、『マリー・アントワネット』でルイ16世を演じていたジェイソン・シュワルツマンが3兄弟を演じ、インドの大地を列車で走るという意表をついたもの。テーマはデビュー作から一貫している「家族の絆」だ。話だけではシリアスなドラマにもなりうるものを、新しいのか古いのかわからい独特のユーモアとペーソスでくるむスタイルは本作でも健在。ただ、今までの作品と違って、今回はそれが空回りしている感が強い。三兄弟もただ騒いでいるだけで、「そこはかとない哀しさ」が感じられないのだ。結局、面白かったのは、筋と関係ない、冒頭の列車に乗り遅れまいと急ぐビル・マーレイのエピソードになったりして…。

なお本編上映前に、10分あまりの短編『ホテル・シュヴァリエ』(ジェイソン・シュワルツマンとナタリー・ポートマンが出演)が上映されるが、これは本編へのプロローグとなっている。ナタリー・ポートマンのヌードが話題になった。内容は見てのお楽しみ。(★★☆前原利行)

 
■映画の背景
 
・列車の名前はダージリン急行だが、この列車が走るのはラージャスターンの荒野。ノースウエスタン・レイルウェイズ社に頼んで、客車10台の列車を三ヶ月借りるようにスタッフが交渉したが、「山のようなお役所仕事の連続」だったとか。ジョードプルからジャイサルメールまで列車を何度も走らせて撮影した効果は、本作を見ればわかる。

・映画の後半、三兄弟が彼らの母が働くヒマラヤの修道院へ行くシーンがあるが、ここはヒマラヤではなく、ウダイプルの元王族の狩猟用ロッジにセットが組まれた。

・三兄弟が川の急流に巻き込まれた後にたどりつく村も、ラージャスターンの砂漠にある小さな村でロケされた。

 
■DVD情報
 
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