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■キャピタリズム マネーは踊る/Capitalism : A Love Story


(c) 2009 Paramount Vantage, a division of Paramount Pictures Corporation and Overture Films, LLC

行き過ぎた資本主義が、アメリカを支配している
新たな階級国家アメリカを、マイケル・ムーアが斬る!

2009年/アメリカ

監督・脚本・製作:マイケル・ムーア(『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』)

配給:ショウゲート
公開:TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 梅田にて限定公開、2010年1月9日(土)全国拡大ロードショー
上映時間:127分
公式HP:capitalism.jp

 
■レビュー
2008年9月、リーマン・ブラザースの破綻を気に大不況がやってきた。しかし何でそのせいで、世界中が不況になるのかさっぱりわからない。そして損失額が巨大と言っても、その損失したお金はどこから出てきたんだ?

『ボウリング・フォー・コロンバイン』で銃社会を、『シッコ』では医療問題と、アメリカの抱える問題を取り上げてきたマイケル・ムーア。その新作のテーマは、ズバリ「資本主義」だ。どうもアメリカ人は、「民主主義=資本主義」と思い込んできたようで、アンチ社会主義のために資本主義を批判できない風潮にあった。しかし現在の資本主義はまるで「民主」を反映していないとムーアは訴える。少数の金持ちが政治を握り、自分達に優位な法案しか通さない。

リーマン破綻以前からアメリカでは、住宅ローン延滞のために自宅を差し押さえられる人が増えていた。「サブプライムローン問題」というやつだ。支払い能力がない人にまで住宅を担保にお金を融資し、払えなくなったら家を差し押さえる。規制緩和に働いたのは、政府を巻き込んだ金持ちたち。余剰なお金を貸す先を、投資家ではなく一般の人たちに向けたわけだ。しかしこのローンは最初から貸し倒れになる無理があった。それにも関わらず、半ば強引に貸し付けた結果、家を抵当に取られる人が続出。「払えないのにお金を借りるな」と思うかもしれないが、そのころのアメリカ人は日本のバブル期と同じで、ただ資産を貯めておくより、何かに投資するほうがいいという風潮だったのだ。

その結果、真面目に働いても家や職を失う人々が多数出ることになる。借りたほうが悪い? いやいや、多くの人が払えないようなルールを作るのが悪いのだ。庶民から家や仕事を奪い、太り続ける吸血鬼のような金持ち達。「1%の富裕層が底辺の95%より多い富を独占」しているというアメリカでは、国民の税金が金持ちを救うために投入される。ムーアは$マークのついた袋を持ち、「僕たちの金を返せ!」とウォール街へ突入していく。

ある意味、アメリカは社会のシステムにおいては欠陥だらけで、発展途上国とそう変わらない。貧困、犯罪が蔓延する一方で、驚くほどの金持ちがいる。そして金持ちは何かあっても自分のお金を出すことはない。税制すら変えて、利を得る。そんな不公平をムーアは糾弾する。

ムーアが資本主義の仕組みを理解するのに苦労するように、私たちもこのドキュメンタリーを見てもまだわからないことがある。ただ、ムーアは民主主義を信じている。「選挙」という方法で、金持ちに対抗できると。日本も同様。無駄遣いや金持ちの言い訳にうんざりだから、選挙で民主党が勝利した。この方法は有効だ。民主党がダメなら、また変えればいいのだから。(★★★☆前原利行)

 
■DVD情報
 
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