監督:ダーネル・マーティン 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメトン チェス・レコードがなかったら、ローリング・ストーンズもいなかったろう。ロック・ファンなら知っていることだが、バンド名の「ローリング・ストーン」はマディ・ウォーターズの曲からとられたものだ。ストーンズがデビュー当時憧れていたのが、このチェスのスタジオから生み出されるサウンドで、彼らのデビュー・シングルはチャック・ベリーのカバーの「カム・オン」だし、セカンド・アルバムはこのチェス・スタジオ録音が売りだった。そのロック・ファンには有名な「伝説」も、当然ながらこの映画の中に盛り込まれている。 映画は、創始者のチェスと、レーベル発足時からの看板スターのマディ・ウォーターズの関係を軸に話が進む。兄貴分のマディと擬似親子のような関係になるのがリトル・ウォルターだ。演じるそれぞれの俳優は正直言ってあまり本物に似ておらず、また人物の描き方に深みが無いのが不満だが、音楽ファンには伝説と化した各エピソードが面白すぎるので、楽しめることまちがいない。映画『ドリームガールズ』のように描きたい人物を絞れば、もっと引き締まった話になったろうが、これはこれでいいのだろう。(★★★前原利行) ・映画の語り部となるウィリー・ディクソンは、チェス・レコードを陰で支えた人物。ベースなどのセッションプレイヤーの他、ソングライターとしてマディたちに多くのヒット曲を書いた。代表曲に「フーチー・クーチー・マン」、「スプーンフル」など。
■キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語/Cadillac records

シカゴのブルース・レーーベル「チェス」の設立から終焉までを描いた伝記映画
登場人物は似てないが、音楽好きならけっこう楽しめるハズだ
出演:エイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』)、ジェフリー・ライト(『シリアナ』)、ビヨンセ・ノウルズ(『ドリームガールズ』)
公開:8月15日より新宿ピカデリー、恵比寿ガーデンシネマほかにて
上映時間:108分
公式HP:cadillac-record.jp
■ストーリー
1947年のシカゴ。バーのオーナーでポーランド系移民のレナード・チェスは、才能に溢れた2人のミュージャンと出会う。ギタリストのマディ・ウォーターズとハーモニカ奏者のリトル・ウォルターだ。チェスは自らのレーベル「チェス・レコード」を設立し、2人を売り出す。ラジオのDJにワイロを渡すなどの手段もとるが、レコードはヒット。チェスはマディにキャデラックを贈る。家族のようにミュージシャンを愛したチェスの下に、やがてハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクスンといったブルース・ミュージシャンも加わる。ロックの時代がやってきて、チャック・ベリーがチェス・レコードからヒットを飛ばす。また女性シンガーのエタ・ジェイムズもNo. 1ヒットを飛ばす。しかし時代の流れは、変わっていた。
■レビュー
シカゴのチェス・レコードといえば、米国音楽ファンにはおなじみの存在だろう。ロックが生まれる前の50年代、シカゴ・ブルースの名門として、マディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター、ジュニア・ウェルズ、ハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクスンといったブルース・ミュージシャンを輩出。ロック期に入ると「ジョニー・B・グッド」で、ロック・ギターを発明したチャック・ベリーが登場した。
■関連情報
・マディ・ウォーターズを初めて見たのは映画『ラスト・ワルツ』の「I’m a man (Manish Boy)」。その前にローリング・ストーンズが名盤「ラブ・ユー・ライブ」で、この曲を取り上げていたのを聴いたことがあるが、この「でっぷりと太ったじいさん」のイメージが強烈だっただけに、この映画でジェフリー・ライトが演じるマディは貫禄不足。逆にハウリン・ウルフは本物のイメージに近かった。
■DVD情報
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