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■天国の青い蝶/The Blue Butterfly


2004年/カナダ、イギリス

監督:レア・プール
出演:ウィリアム・ハート(『蜘蛛女のキス』『A.I.』)、パスカル・ブシェール(『彼女たちの時間』)、マーク・ドネイト(『スウィートヒアアフター』『マップ・オブ・ザ・ワールド』)

配給:東芝エンタテインメント
上映時間:96分 公開:8月14日よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほかにてロードショー

公式サイト:www.bluebutterfly.jp
 
■ストーリー
 カナダにすんでいる10歳の少年ピートは、末期の脳腫瘍に犯されている。余命いくばくもない彼の願いは、中米の熱帯雨林に棲んでいるという青い蝶ブルー・モルフォを捕まえることだった。息子の願いを叶えようと、母親テレサはピートを連れて、モントリオールの昆虫博物館の落成式を訪れる。ピートが憧れる昆虫学者アランに、ぜひピートを連れてモルフォ蝶探しの旅に行ってくれるよう頼むテレサ。最初は冷たく断ったアランだが、しだいに熱意にほだされて願いを聞き入れることに。熱帯雨林の先住民の村で蝶探しが始まった。しかし蝶のシーズンも最後に近づき、目的のモルフォ蝶をなかなか発見することができない。そんな時、思わぬ事故が起きる。
 
■レヴュー
 
 コスタリカの熱帯雨林に行ったことがある。国土の1/4が自然保護区というこの国は、主要産業に「観光」があげられる観光立国だ。さまざまな顔を見せる自然の中、ナマケモノ、サル、オオハシ、そしてブルー・モルフォと、この国は動物を見つける楽しみを僕に教えてくれた。映画を見ながら、僕はそんなことを思い出した。
 さて、「チョウ」がキーワードになる映画といえば、少し前に公開されたフランス映画『パピヨンの贈り物』がある。これは母子家庭に育った子どもが、老人と疑似関係の家族を築くという話だった。この『天国の青い蝶』も少年と父親代わりの存在になる大人が、疑似家族関係を築いていくことが主要なテーマになっている。少年ピートの父は交通事故で亡くなっている。その後、母親が選んだ恋人を、ピートは自分の新しい父親として認めることができない。その代わりピートは、尊敬する昆虫学者のアランに父親代わりの役割を期待するが、アランにはそれを受け入れる気はない。昔別れた妻との間に生まれた娘に、手紙すら書けずに悩んでいる自分なのだ。この2人が「蝶を採る」という行為を通じて、心を通わせていくのがこの物語だ。その過程で、最初は心配でくっついてきた母親を、少年が自主的に排除する(一緒に森へ行かなくてもいいと告げる)のも象徴的だ。
 ちなみにこの映画の元になった話は、実話だという。まるで魔法のようなハッピーエンドが待っているが、実話だと知らなければ、「いくら映画でも、そんな…」と思ってしまうかも。旅をしていると、まれに映画のように、できごとがうまく進むことがある。そんな時は、奇跡というと大袈裟だが、何だか神様でもいるのかな、という気になる。この実話の結末に、そんなことを連想した。★★★(前原利行)
 
■映画の背景
 
 元になった実話では、少年がブルー・モルフォを探しに行くのはメキシコ。しかし、本作ではいろいろな事情から舞台を中米のコスタリカに移して撮影されている。ロケが行なわれたのは、カリブ海側のビーチ、プエルト・ヴィエホ・デ・リモン。おもに近くのブリブリ族の小さな村でロケが行なわれた。コスタリカといえば、その動植物の生態系の豊かさで有名だが、映画の中でもオオハシやノドジロオマキザルなどが登場する。メタリック・ブルーの色彩が美しいブルー・モルフォは、オン・シーズンなら国立公園へ行けば、比較的見つけやすい。熱帯雨林の中を、このチョウが飛んでいく姿はとても幻想的だ。
 
■DVD情報
 
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