Home > 旅シネ > 風の絨毯

■風の絨毯/The Wind Carpet

2002年/日本、イラン

監督:カマル・タブリーズィー(『テヘラン悪ガキ日記』)
出演:柳生美結、ファルボー・アフマジュー、レザ・キアニアン、榎木孝明、工藤夕貴、三國連太郎

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
http://www.spe.co.jp/
上映時間:111分
公開:
終了

 
■ストーリー
 
 飛騨高山。蘇った祭り屋台を飾る幕にペルシア絨毯をかけるため、絨毯の輸入業を営む誠(榎木孝明)の妻・絹江(工藤夕貴)がデザインをまかされた。しかし誠がイランへ発とうという矢先に、絹江は交通事故で亡くなる。後に残された誠と2人の娘さくらは失意の中でイランへ渡り、絨毯を受取りに行くが、注文した絨毯はすっかり忘れられて完成していなかった。期日に間に合わすため、誠は絨毯の仲買人の友人アクバルと共に奔走することになる。  
 
■レヴュー
 
 日本とイランの合作映画といえば、昨年公開された『旅の途中で』がある。今から思えば、かなり「?」な作品だったので、今回もその二の舞いにならないかという危惧があった。実際、冒頭の日本でのシーンは、出演者たちがいかにも「演技してます」という感じで観ていて臭く、イラン映画の味である「自然体」ではなく心配になった。また説明不足なのか、何で祭りに絨毯なのか、また絹江がどうしてそれに関わっているのかなどがよくわからず、あとで解説を読んでようやく納得した次第だ。
 父と娘がイランに入ってからも、しばらくは出ている俳優たちの温度差(プロと素人が混ざっているからだと思うが)が気になり、演出も少々気恥ずかしいところがあった。しかし一度はあきらた絨毯だが、少女さくらに居て欲しいと願う少年ルーズベが20日間で何とか間に合う方法を考え、イラン人たちが一丸となって絨毯造りに精を出すあたりから、映画はかぜん調子が出てくる。

 たぶん後半が生き生きとしてくるのは、日本人に代わりイランの人々が話の中心になってくるからだろう。みんなで絨毯作りに精を出す一方、お調子者のアクバルが手を出して大変なことになったりと、ダメなのはいつも男性。女性は常にしっかりとして男性を支えているという役割がおかしい。障害が生じると、かならず名案が生まれたり、「いい」キャラクターが現れてその場を和ませてくれる。そういった一種の下町人情喜劇タッチが実に心地よく、いい雰囲気だ。また、予定していた演出とは思えないが、誠の友人であるアクバルのヘタな日本語(イスファハンにはもっと日本語がうまいイラン人がたくさんいるハズ)が時々ツボにはまり、個人的にかなりウケた。誠役の榎木も後半に行くに従い、相乗効果かボケの演技に拍車がかかり、これもかなり笑わせてくれた。
 そうするとやはり余計、前半のシリアスさはいったい何?という気がしてくる。ただし、映画が終わってみれば幸せな気分なので、人にもおすすめできる。また個人的にイランは好きな国なので、今後も日本とイランのこうしたコラボレーションは大歓迎だ。
★★★(前原利行)

 
■映画の背景 Behind the Movie■
 
・日本でのロケは岐阜高山市で行なわれた。イランのロケはイスファハンで2002年2〜6月にかけて。旅行人「アジア横断」読者にはおなじみの(?)、イマーム広場、シオセポルのチャイハネなどの名所が登場。イランの情緒がたっぷり味わえる。
 
■DVD情報
 
風の絨毯 [DVD]
風の絨毯 [DVD]
posted with amazlet at 09.03.27
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2005-09-28)
売り上げランキング: 52679

Home > 旅シネ > 風の絨毯