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■ジャック・タチ フイルム・フェスティバル

1949〜67/フランス
監督/脚本/主演:ジャック・タチ(〜1982)

2003年初夏にヴァージンシネマズ六本木ヒルズやテアトル梅田にて公開ほか、全国順次ロードショー!

公式サイト
http://www.zaziefilms.com/tati/

 ジャック・タチは、2002年に没後20周年を迎えたフランスを代表する喜劇監督/脚本家/俳優。
カンヌ映画祭やフランス映画祭横浜でもオマージュ(特別上映)を捧げられた彼の代表作4本+短編3本による特集上映。
 
■レヴュー
 
「ぼくの伯父さんの休暇」
('53/87分/モノクロ)
カンヌ映画祭国際批評家連盟賞受賞ほか

 旅行人的には特にお薦めの1本。ユロ氏が過ごす、ひと夏のヴァカンスのお話。このユロ氏は、その後、タチ映画に不可欠のキャラクターとなる。
 ドリフや寅さんで育った日本人には新鮮な、上品でさりげないギャグの数々。なかにはギャグというよりマジックともいうべきシーンも散りばめられている。知らなくてもいいことではあるが、自然におかしく見えるように何度撮り直したことだろう。ジャッキー・チェン映画のNG集を観ると、その命懸けのアクションに驚くが、タチ映画にもそういったものがもしあれば、それは泣けてくるような内容かもしれない。
 日本での初公開は'63年、海外旅行が今ほど簡単でなかった世代は、こんな映画を観て、南仏でのヴァカンスをイメージしたのかもしれない。
★★★★(今野)
 


「ぼくの伯父さん」
('58年/カラー/116分)
米アカデミー賞最優秀外国語映画賞、
カンヌ国際映画祭特別賞ほか

 世界中で大ヒットしたというが、「ぼくの伯父さんの休暇」に比べると、少しもったいぶり過ぎのような気がする。これがフランスのエスプリってヤツなのかと、少し醒めて思えてしまう。
 前作のユロ氏が都会に戻り、超モダンな邸宅に暮らす工場の社長夫妻から世話を焼かれ、その息子と遊ぶ。このタイトルが『男はつらいよ』の副題にも使われたのは、タチへのオマージュ。
★★☆(今野)
 


「プレイタイム」
('67/125分/カラー)
パリ・アカデミー・デュ・シネマ グランプリ受賞ほか

 もはやお馴染みのユロ氏がパリのオフィスやレストランなどで繰り広げるタチ・ワールド。
 撮影に3年かけたタチ生涯の野心作で、今回の特集上映の目玉だが、ギャグとギャグとの繋ぎが長いので、寝不足でのぞむとちょっと辛い。'67年の公開時には批評家たちの酷評を受け、興行的に失敗し、タチを破産に追い込んだというのも分かるような気がする。トリュフォーは当時から熱く支持し、2002年のリバイバル上映では本国を熱狂させたというが、日本ではどうだろう?とはいえ、通常の35mmではなく、70mmフィルム(密度にすると4倍)が使われたというもの頷けるスケールの大きな造形美には脱帽もの。あれがすべてセットで(半年以上かけて建設したという)、興行的にコケたというなら、それはもう目も当てられまい。試写ではウトウトしていると、要所要所で起きる笑いに起こされ、「えっ?今、どうしたの?」という欲求不満が募った。★★★(今野)


「ぼくの伯父さんの授業」
('67/28分/カラー)

 タチ流How to ギャグの真髄が解きあかされる。素直に可笑しい。『プレイタイム』の撮影中断時に、セットと役者をそのまま流用し、助監督の一人ニコラス・リボフスキーが監督した。タチは脚本と主演。★★★☆(今野)


 レビューで触れていない作品『のんき大将』(80分)『左側に気をつけろ』(12分)『郵便配達の学校』(15分)については、今回試写などで観ることができませんでした。その出来映えは各自でお確かめ下さい。

 

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