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■散歩する惑星/Sanger Fran Andra Vaningen

製作年/製作国:2000年/スウェーデン=フランス

監督:ロイ・アンダーソン('43年、スウェーデン生まれ)
出演:ラース・ノルド(現役印刷工)/シュテファン・ラーソン(元I'netエンジニア)/
   ルチオ・ヴチーナ(元大使館付き運転手)
音楽:ベニー・アンダーソン(ABBAのキーボード担当)

配給: ビターズ・エンド→
http://www.bitters.co.jp/
上映時間:98分

公開:2003年5月3日〜
劇場:シネセゾン渋谷にてレイトショー
http://www.cinemabox.com/access_schedule/shibuya.shtml

公式サイト:→
http://www.bitters.co.jp/sanpo

2000年カンヌ国際映画祭審査員特別賞
 
■ストーリー
 
 限りなく地球に近い、もしかしたら地球かもしれないどこかの惑星。サラリーマンは突然リストラされ、上司の足元にすがりつく。町からどこへ行くのか交通渋滞で車は少しも動かない。マジシャンはマジックに失敗して、お客のお腹を傷つけてしまう。死んだ人間も生きている人間と同じように歩き出す。年老いた人々が支配する世界に若者の場所はない。小さな子どもを生け贄としてガケから突き落とすが、世の中はますます悪くなるようだ。空港は運べないほどの荷物を持って逃げ出す人々でいっぱい。はたしてこの惑星に住む人々に夜明けはやってくるのだろうか。
 
■レヴュー
 
 
 カンヌ国際広告祭でグランプリに8度も輝いている巨匠の映画作品。冴えない登場人物たちが、なんとかして現実から逃れようともがいている。ワンシーンワンカットで切りとられる、そのもどかしくどうにもならない閉息感は、悪い夢でも見てるよう。出演者は街中やお店で監督自らスカウトした他に仕事をもつ(もっていた)普通の人々。監督のCF作品でもお馴染みのメンツだという。監督のCF作品はたぶん見たことないと思うが、日常見ている売らんかなのTVCMの中で、このキャラと作風は、とても目を引くことだろう。この映画の中でも例えば、リストラされ、文字通りしがみつくサラリーマンの姿など相当おかしい。時節柄、涙なしには観れないかたもいるかもしれない。CF制作で培った技がそこここにちりばめられ、一粒で何度も美味しいともいえるが、コマーシャルの長さのほうが効果的なネタが長めに連なってたような気もする。同じネタでコマーシャル何本か作ったほうがインパクトあったんじゃないの?と思える。CF界の巨匠と聞けばなおさら、俳句の人が書いた小説のような、短距離選手が走ったマラソンような感じがどうもしてしまう。この映画の公式ホームページは現時点('03年1月)ではまだ準備中だが、そこで監督のCF作品群をなんとか観れるようにしてもらいたい。最大のPRにもなるだろう。それかセットで上映するとか?
★★★(今野)



 『散歩する惑星』という日本語タイトルを聞いて「ウルトラセブン」を連想する人もいるだろうが、むしろセブンでは、ロボットが支配する惑星の回に映像のタッチが近い。ヘンな映画であることはまちがいない。それは確かだ。深読みすればすべてのシーンが現代社会に対する批判、諷刺だろう。渋滞して動かない車は何の象徴? お互いをムチ打ちながらデモする人々は? 老人ばかりで硬直化した社会で犠牲になるのは無垢な子ども? ゴミ捨て場に捨てられるキリスト像。どこまでも続く空港のチェックインカウンターに押し寄せる人々。ワンシーン・ワンカット・ワンシークエンスで構成されるこの映画は、映画というよりシュールレアリズムの絵画を観ているようだ。そうした「知的」な面白さはあるのだが、映画的な躍動感はそのぶん乏しく、だんだんと現代美術を鑑賞しているような気分になってくる。そしてそうしたものをベースにした「おかしさ」は僕にはどうも苦手で、数日前に観たパレスチナ映画『D.I.』とともに退屈してしまうのだ。ひとつのシークエンスが数十秒で読めてしまう「不条理マンガ」なら好きなんだけど、それを映像にするとどうしても2〜3分の長さにはなり、間延びしてしまう。きっとそのテンポが僕には合わないんだと思う。現代アートファン、美術学校の学生におすすめか。
★★(前原利行)
 
■関連情報
 
本作は監督の長編映画作品としては3作目にして、日本初公開。
関連ホームページ
http://e.goo.ne.jp/movie/content/MOVCSTD2803/index.asp
 
■DVD情報
 
散歩する惑星 愛蔵版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2003-11-28)
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