| ■鬼が来た!/鬼子來了Devils on the doorstep |
製作年/製作国:2000年/中国
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監督・製作・共同脚本・主演:チアン・ウェン
(「紅いコーリャン」、「太陽の少年」)
撮影監督:クー・チャンウェイ
(「紅いコーリャン」
「さらば、わが愛/覇王別姫」)
音楽:ツイ・チエン
出演:香川照之
(NHK大河「利家とまつ」の豊臣秀吉役)、
チアン・ホンポー、
ユエン・ティン、
チェン・シュ
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配給:東光徳間
上映時間:2時間20分
公開:終了
2000年カンヌ国際映画祭グランプリ
「紅いコーリャン」でコン・リーの相手役を演じ、初監督した「太陽の少年」が欧米でも絶賛されたチアン・ウェン監督の2作目。
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| ■ストーリー |
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第二次世界大戦末期の中国・華北。日本占領下の小さな村に暮らすマーの元に、「私」と名のる謎の兵士が2つの麻袋を持ち込んだ。銃で脅され、その麻袋を晦日の日まで預かることになったマーだが、袋の中身を知り仰天する。それは手足を縛られた日本兵・花屋とその通訳だった。日本兵に見つかれば村中皆殺しにあい、日本兵に引き渡せば袋を持ち込んだ中国兵に殺されかねない。村の男たちと相談した挙句、晦日までの1週間、なんとか2人を隠し通すことにする。
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| ■重い戦争映画は楽しくない、という人のためのミニ対談レヴュー |
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中国が舞台の戦争映画、しかもモノクロの2時間20分・・・気楽に映画を観たい人ならこの時点で素通りなのも当然ですが、『鬼が来た!』はそんな先入観を見事に拭い去ってくれます。実際に、すっかりイメージを覆された2人の対談(雑談)でわかってもらえるでしょうか……。
今野「相当よかったです。これはチラシの裏面とか、この対談にしても観終わってから読んだほうがいいと思うんだけど……。最初に内容や展開を知っちゃうと、いろんなことが半減するから、この際カンヌを信用して、何も知らないままいきなり映画を見てほしいなあ」
竹内「題名からして体力ないと観られないかな……なんて思ってい色たんですけど、まず麻袋に入った日本兵と通訳、っていう始まりからしてユニークですよね。集まった村の男たちが2人をどうしていくか、コミカルでテンポもよくて、実に楽しかった」
今野「必死で隠してるところに日本兵が近づいてきたり、花屋の悪態を通訳がデタラメに訳したり、おもしろいよね。ダレそうになるとうまく緊張感使って引っ張ってるし、戦争を描いているんだけど2時間以上を感じさせない」
竹内「俳優さんもいい。花屋小三郎役の香川照之さんは体当たりの演技ですし、村の男たちもそれぞれにトボケた個性があって」
さて、そうは言ってもやっぱり戦争映画。楽しい面白いばかりじゃないんでしょ? といぶかる人も多いはず。物語の柱は、戦争という状況のなかで暴走してしまう人間の狂気。そんな衝撃がラストにバシーン! とやってきます。
今野「だから言っちゃダメなんだって。せっかくの楽しみっていうか、なんていうかが奪われちゃうんだから……。あぁ、でも、もういいや」
竹内「ラストに向かってどんどんホッとできる展開なのに、それが一瞬で覆されちゃう。今までのコミカルさは何だったの?っていう感じ。それで余計に怖いです。狂気の後に残る悲劇も悲しい」
今野「この映画の監督自ら演じてる主人公は、鬼のような日本人相手にずっと理性的に立ち振る舞ってきていたのが、最後に自ら鬼になってしまうんだよね」
竹内「戦争で鬼になった日本人を描く映画に『リーベンクイズ(日本鬼子)』があるけれど、描き方はまったく違う。あれは当時者が鬼の行為を切々と語り続ける、かなりタフなドキュメント作品でしたからね。こちらはストーリーにほのぼの感とドキドキ感の起伏があって、気負いなしに見られるエンターテイメント。でも、悲劇は悲劇としてきちんと描いているんです」
今野「でも、笑える戦争映画っていうことなら、最近観た『ノー・マンズ・ランド』のほうに、どちらかといえば僕は軍配をあげるけどな。日本人だからかなぁ? そんなこと最後に言うのもなんなんだけど…」
中国、戦争、日本兵、狂気・・・そんな言葉にとらわれないで、とにかく見てほしい!
ちなみに2000年のカンヌ国際映画祭で上映されたオリジナル・バージョンは、2時間42分。観客・審査員に絶賛されてグランプリを獲得しました。ハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングに負けないくらいファンタジー、かつリアリスティックな逸品です。
★★★★(今野雅夫)
(文・構成/竹内詠味子)
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| ■映画の背景 Behind the Movie■ |
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「万里の長城近くの水辺の村」という監督のイメージどおりの村は、中国河北省唐山の近くにあった。また、撮影にあたっては、山頂の巨石を爆破し平にし、100軒ほどの集合家屋には一時移転してもらって、当時の村が再建された。
監督は元日本兵や、日本軍に徴兵された中国人たちから証言を集めて脚本を書き、日本人の役者は軍の部隊で訓練を受け、農民役の役者は片田舎の村で6カ月を過ごして撮影に備えたという。 |
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| ■DVD情報 |
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