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■永遠の片想い/lovers concerto

2003年/韓国

監督・脚本:イ・ハン
出演:チャ・テヒョン(『猟奇的な彼女』)、ソン・イジェン(『ラブ・ストーリー』)、イ・ウジェン(『ブラザー・フッド』)

配給:タキコーポレーション、リベロ
上映時間:105分
公開:7月17日、シネ・リーブル池袋ほか
 
■ストーリー
 
 5年前、ジファンは先輩の経営する喫茶店でバイトしている時ににスインという女の子に一目惚れした。店を出た彼女を追いかけ、その場で告白してしまうのだが、あえなく玉砕。しかし、スインとその親友であるギョンヒという二人の女の子と友達になることができた。3人はいつも一緒で、「友達以上、恋人未満」の関係のなか、数々の思い出を作っていく。 
 ある日ジファンはスインに恋していたはずの自分が、ギョンヒに気持ちが傾いていることに気づく。ギョンヒもジファンのことを想っていた。ところが、幼い頃から病気がちで助け合ってきたスインとギョンヒの絆は固かった。ギョンヒは3人の関係を壊したくないため、自分の想いを押し殺す。そしてさらにスインとギョンヒにはジファンに告げられない秘密があった。そんな3人の日々は、ある日突然終わりを告げる……。
 
■レヴュー
 
「心がとても痛いんです。でも、この痛みを持ち続けたいんです」。
 ナポリ沖にある小さな島に暮らす素朴な青年マリオと、チリから亡命してきた詩人との心の交流を描いたイタリア映画の秀作、『イル・ポスティーノ』のからの引用。マリオが食堂で働く娘に恋をしたときに言うセリフだ。劇中ではジファンと二人の女の子が映画館でこの『イル・ポスティーノ』を観たあと、三者三様の想いを面白おかしく伝えるシーンに使れるのだが、実はこのセリフが映画全体のテーマにも通じていることが観終わった後にわかる。

 『猟奇的な彼女』を観た時、80年代に一世を風靡した少年サンデー系ラブコメを思い出した、と以前書いたことがある。この作品もそんな世界観を持っていると思う。しかし、決して侮ってはいけない。そこに肉付けされる登場人物の感情には驚くほどのリアリティがあるし、物語の構成も実に巧みだ。よく出来ているなあ、と感心することしきり。この映画に魔法がかったものを感じるのは、これが長編デビュー作というイ・ハン監督の卓越したセンスによるものなのか、チャ・テヒョンをはじめとする親しみやすい俳優人たちの魅力によるものなのか、判断しかねるところだ。

 『友達以上、恋人未満」の微妙なバランスの上にある人間関係。それゆえにガラス細工のようにもろく、美しい青春時代。映画の根底に流れるのは「喪失感」だ。失った恋人、仲の良かった友人、楽しかった時間、そういったものを思い出すのは実に切ないものだ。あの頃に帰りたい、あの人を取り戻したいと思うけれど、それが叶わないから、さらにそれは輝きを増す。
 僕らはこの映画を観て、自分たちが失ってきたものを思い出す。それらがいかに大切で、愛しいものであったかを再確認する。そしてマリオの言葉のように、「この痛みを持ち続けたい」と思うのだ。                                      (★★★☆カネコマサアキ)
 
■関連情報
 
エンディング・テーマの歌は主演のチャ・テヒョンが歌っている。
 
■DVD情報
 
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