| ■ほえる犬は噛まない |
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2000年/韓国
監督:ポン・ジュノ
出演:ペ・ドゥナ、イ・ソンジェ
(『美術館の隣の動物園』
『アタック・ザ・ガス・ステーション!』)
配給:ファイヤークラッカー+グアパ・グアポ
上映時間:110分
公開:10月下旬、渋谷ユーロスペースにて
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| ■ストーリー |
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舞台は80年代に韓国に乱立した大型高層団地。そこに住む非常勤講師のユンジュは将来のポストも安定せず、身重の妻に養ってもらいながら、 うだつがあがらない日々を悶々としている。どこからともなく聞こえてくる犬の鳴き声にイライラは最高潮に…。一方、団地の管理事務所に勤めるヒョンナムは平凡な毎日に飽き飽きしている冴えないOL。そこに『犬を探しています』のチラシを持った少女が尋ねて来る。 団地内に次々と起こる連続小型犬失踪事件。二人は大きな渦中に巻き込まれて行く・・・。
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| ■レヴュー |
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大友克洋のマンガ『童夢』の舞台も同じような高層団地だった。高度成長を終えバブル期に入ろうとしていた頃の日本の様々な社会問題を扱いつつ、一級のエンターテイメントで見せてくれた作品だ。当時、大友の描く細い切れ長の目の入った日本人の<顔>はとてもリアリティがある、と評された。同様、ポン・ジュノ監督はこの映画で現代韓国人の<顔>を見事に活写している。そして韓国社会を痛烈に、ブラックにカリカチュアしながら、驚愕のエンターテイメントを展開している。地味な題材をここまでドラスティックに料理する手腕はタダものではない。
ただ、見終わった後、何かもの足りなさを感じる。 それは監督が<犬鍋>を食べる世代ではないことに起因しているのかもしれない、と漠然と思った。 |
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劇中、主人公は70年代に放映された世界名作カルピス劇場のアニメ『フランダースの犬』のテーマソングを口ずさむ(韓国ではある時期から日本のアニメが当たり前のように流れていたそうである)。韓国の伝統的食文化である犬鍋を食べる世代と、犬を愛護する世代を区別する重要なファクターになっている。★★★☆(カネコマサアキ)
新鋭ポン・ジュノ監督による長篇デビュー作は、コメディーにはまちがいないが、一風変わった仕上がりだ。団地群に暮らす、一見ふつうだが、見方によっては少し変わった人々が巻き起こす事件。犬の失踪事件をきっかけに、稼いでいる妻に頭が上がらない小市民的な男のユンジュと、いつか脚光を浴びることを夢みながら日々の生活に埋没している若い女性ヒョンナムの人生が交錯する。その他にも犬鍋が大好きな団地の警備員や、文房具店のおデブちゃん、どこでもツバを吐きまくるおばあさん、謎の浮浪者など、魅力的なキャラクターがいっぱいだ。
本人にとっては大変なことでも一歩退いて見れば、滑稽に見える。そのことを誇張したマンガ的な表現がこの作品の魅力だ。ただ、もっとハジけてもよかった気がする。ブラック・ユーモアという点では、現在公開中の「ハリウッド★ホンコン」と合わせてみるといいだろう。★★★(前原利行)
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| ■関連情報 |
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ポン・ジュノ監督の長編二作目『殺人の追憶』(2003年)は韓国で社会現象を起すほどの大ヒットを記録している。そのほか『モーテル・カクタス』、『ユリョン』の共同脚本家としても知られる。今後、期待大の監督だ。
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