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■ぼくは怖くない/Io non ho paura

2003年/イタリア

監督:ガブリエーレ・サルヴァトーレス(『エ−ゲ海の天使』『ニルヴァーナ』『マラケシュ・エクスプレス』)
原作・脚本:ニコロ・アンマニーティ
出演:ジュゼッペ・クリスティアーノ、アイタナ・サンチェス=ギヨン(『雲の中で散歩』)、
ディエゴ・アンバンタトゥオーノ(『エ−ゲ海の天使』『ニルヴァーナ』『マラケシュ・エクスプレス』)

配給:
アルバトロス・フィルム
上映時間:109分
公開:3月よりテアトルタイムズスクエアにて公開

公式サイト→
http://www.albatros-film.com/movie/bokukowa/
 
■ストーリー
 
 1978年の夏、南イタリアのとある小さな村。ある日、少年ミケーレは村はずれの廃屋の裏に不自然な穴をみつける。中にはボロ布をまとり、鎖につながれていた男の子が横たわっていた。死んでいるのか? 怖くなったミケーレはそのことを誰にも言わず、後日、再び穴を訪れる。そして、勇気を振り絞って男の子に話しかける。彼の名はフィリッポといい、ミケーレと同じ10歳だった。フィリッポは暗い穴ぐらの中でひどく絶望していた。ミケーレは水やパンをあげて彼を励ます。
 一方、テレビのニュースでは、フィリッポを返してほしいと懇願する母親の姿が写し出される。フィリッポは誘拐事件の被害者だったのだ。さらに、その誘拐事件に、自分の両親や村びとが関与していることに、ミケーレは気付くのだった……。
 
■レヴュー
 
 見ているうちに少年と同じような気持ちになってしまい、ハラハラした。大人にとっては他愛のないことでも、小学生ぐらいの子どもにとっては、どうしていいかわからない難しいことというものがある。誰でも子どもの頃には、そんな「サスペンス的」経験をしているはずだ。イラン映画はそんなところを突くのに成功していると言えよう(すっかり忘れてしまっている大人もいるけど)。僕も子どもが主人公の映画を見ていると、すぐに「バックトゥ・ザ・パスト」してしまう方なので、「自分の父親が犯罪者だったことを知ったら…」と少年の気持ちにすぐに感情移入してしまい、スリルもサスペンスも感じてしまった。「大好きなお父さんでも、まちがいをするただの大人」である事を知る。そんなほろ苦い、ある時代の夏。現在型で描きながら、どこか回想の中の風景のように見えるのは『スタンド・バイ・ミー』のように、現在から振り返った視点が映画のトーンだからだろう。映像、ヴィヴァルディの音楽とも気に入った佳作。
★★★☆(前原利行 )
 
■関連情報
 
2003年タオルミナ映画祭(イタリア)監督賞・助演男優賞・撮影賞
2003年イタリア・ゴールデングローブ賞 監督賞
 この映画の脚本も担当しているニコロ・アンマニーティの原作は、世界各国でベストセラーになった。日本でも「ハヤカワepi文庫」から発売されている。読んだ感想は「映画とまったく同じ」ということ。ふつう映画化する時は、短くするためにエピソードを削ってしまうため、原作を読むと新たな発見があるものだが、ほとんどのできごとがそのまま入っている。まるで映画の脚本を読んでいるかのようだった。
 
■映画の背景
 
 映画の時代設定は、誘拐事件が多発していた1978年の夏休み。この年は身代金目当ての誘拐事件がもっとも多く、年間600件もあったという。南イタリアのバジリカータ州とプーリア州の州境の町メルフィ郊外の寒村が舞台という設定。
 

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