■快盗ブラック・タイガー Tears of the Black Tiger
製作年/製作国:2000年/タイ
2001年カンヌ国際映画祭「ある視点」出品(タイ映画初の正式出品!)
監督・脚本:ウィシット・サーサナティヤン
出演:チャッチャイ・ガムーサン/ステラ・マールギー
配給:日活 http://www.nikkatsu.com/+トライエム
上映時間:1時間54分
公開:終了
公式サイト:http://www.cinema-angel.com/blacktiger/
総天然色タイ米ウエスタン・メロドラマ。タイ映画史上最高の興行記録を持ち、日本でも注目された「ナンナーク」('99)の脚本家で、CMディレクターでもあるサーサナティヤンの監督デビュー作。古典的なストーリー展開に、過剰に作りこんだ画面。そしてあらゆる映画へのオマージュをちりばめた、新感覚異色エンタテーメント・ムービー。
「レイン」と共に、日本でのタイ映画ブレークのキッカケに果たしてなりうるか?
■ストーリー
かつてバンコクから疎開してきた金持ちの娘ラムプイは、村長の息子で幼なじみのダムを待つが現れない。彼は、非業の死を遂げた父の仇を打つため盗賊グループの一員となり、ボスの右腕、怪盗ブラックタイガーと呼ばれるようになる。あどけない子供時代を共に過ごした2人は、バンコクの大学で再会し恋に落ちるが、身分の差に阻まれる。故郷へ戻ったラムプイは、父の希望で警部と婚約するはめになるが、思わぬ運命のいたずらに、2人の恋は…。
■クロス×レヴュー
蓮池に囲まれた小屋で誰か人を待つ令嬢。画面が切り替わると、マカロニウエスタン風のテーマにのり、黒ずくめのガンマン2人が一軒家を急襲、壮絶な打ち合いが始まる。往年の映画を観ているようなオープニングだ。2人のガンマンの対決シーンでは、背景が大胆な月の書割りに変身。セット見え見えの建物や、色あせた絵ハガキのような色調が、ノスタルジックな香りを引き立たせている。
引用は古いメロドラマやマカロニウエスタンだけではなく、監督が好きだと言うコーエン兄弟風の極端なクローズアップにも登場。パロディかもしれないが、そこにオリジナルの映画に対しての愛を感じる。惜しむらくは笑いを交えつつ楽しめるアクションシーンに比べ、主人公2人の悲恋のシーンが冗長なこと。ここで中だるみするのがもったいない。それさえクリアすれば、カルト映画にもなったかも。ともあれ、次回作にも期待したい。
★★★(前原利行)
ごく始めの部分のギャグでちょっと期待してしまうが、それからのマッタリした展開に、「あれ?これひょっとして、マジ?」と段々心配になる。名作からの引用も多いようなので、元ネタがわかればもっと楽しめるのかも? セットや衣装の色使いは美しく、特撮や美術スタッフの健闘は光るが、いかんせんアカ抜けない主人公が……。この映画がたいそうお気に入りの前原さんは、角川・大林映画の高柳だと思えばいいというが、それこそが僕にはどうにも戴けない。
★★(今野雅夫)
■映画の背景 Behind the Movie■
製作のノンスィー・ニミブット(「ナンナーク」の監督)を始め、撮影監督や美術、音楽のメインスタッフは、いずれも「ナンナーク」チーム。
戦闘シーンのロケが行われた、サラブリにある遺跡は、多くのアクション映画が撮影されたタイ映画の聖地だそうだ。
■関連情報
北米での配給権はミラマックスが取ったって。
関連サイト
→http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2397