| ■チベットの女 イシの生涯/(原題:益西卓瑪 Song of Tibet) |
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2000年/中国
監督・脚本:シエ・フェイ(謝飛)
原作・脚本:ザシダワ 短編集「西蔵、系在皮縄結上的魂」の1編「冥」より
出演:テンジン・ドカー('46生まれ)、オンドゥ、ラクチュン
配給:ビターズ・エンド、 フォーカスピクチャーズ
協賛:西南航空、風の旅行社、フォーカスシステムズ
上映時間:1時間45分
公開:終了
公式サイト→http://www.bitters.co.jp/tibet/
2000年 中国金鶏賞(中国のアカデミー賞)主演女優特別賞、脚本特別賞、最優秀音楽賞受賞
2001年 セントルイス国際映画祭グランプリ |
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| ■ストーリー |
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ラサに住む祖父母を訪ねて北京から孫娘のダワがやってきた。余命いくばくもない祖父ギャツォをいたわり、世話をする祖母イシ。イシはダワに自分の過去を物語る。貧農の娘として生まれたイシだが、美人で歌がうまいことから、荘園の若主人クンサンの寵愛を受ける。しかし村を通りかかったキャラバンの首領ギャツォが彼女に一目惚れし、略奪。イシは彼の妻になりやがて娘が生まれるが、ギャツォは家庭をかえりみない。仕方なくイシは故郷へ戻り、クンサンの屋敷で下働きを始めるが……。
ラサの動乱、文化大革命など社会の変動を受けながらも、たくしましく生きていくイシの生涯を描いた作品。
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| ■レヴュー |
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3人の男を愛し、現代を生きたチベット人女性(農奴の娘)の激動の半生が描かれている。ただ、そのわりに語り口がアワアワとしているため、観ている途中ついウトウトしてしまうかもしれない。しかし、目を覚ますとスクリーンいっぱいにチベットの美しく広大な風景が映し出されていたりして、しばし夢見心地のままでいられる。
この映画が、がぜん息づいて見えてくるのは、今ではもうろくして余命わずかのお爺さんが若き日、荘園の若旦那に使える主人公と出会い、略奪するくだりだ。
中国映画で、老夫婦の青春時代とくると、チャン・イーモウの『初恋のきた道』が思い浮かぶが、本作のシエ・フェイ監督(中国人)は、その前の世代の巨匠。北京電影学院では副学長を務め、チャン・イーモウやチェン・カイコーらの教官でもあったという。でも、そんな話を聞くと、チャン・イーモウだったらもっと泣かせてくれたんじゃないか? とか、チェン・カイコーだったらもっと劇的に盛り上げてくれたんじゃないか ?と、どうしても思ってしまう。
チベットのおかれた政治的な状況、というか中国政府のチベット占領政策のおかげで、本作でも文化大革命やダライ・ラマ14世に関するセリフなどが検閲で「だいぶ」カットされてしまっている。
本作はチベットでも公開され共感を呼び、かつてない絶賛を得たとパンフにはあるが、例えば、チベット人の監督がこういう題材を検閲なしで本気で映画化したら、どんなものになるのだろう?
★★★(今野)

「チベットが置かれている政治的な状況が説明されていない」という声もあるが、僕には別に気にならなかった。チベット映画がすべて『セブン・イヤーズ・イン・チベット』とか、ダライラマ礼讃映画でなくてもいいし。この映画のメインはあくまで主人公とそれをめぐる人々の細やかな人間関係で、政治的なものはその時代の雰囲気を出す味付けのようなものでもいい。
構成はちょっと『初恋のきた道』と似ているが、あの映画では「あんなかわいい娘が、中国のあんな田舎にいるわけない」という点でリアリティーを感じなかった。その点この『チベットの女』では、イシの若いころは「そこそこ美人」で、実際にチベットの田舎にいそうな感じ。こちらの方がリアリティーを感じることができた。
自分が歳をとったせいか、若いころの冒険話もいいが、老境になってからのイシとイシをめぐる男たちの「その後」や、彼らの細かい心遣いのシーンの方が身にしみる。月並だけど、「時がすべてを流す」という言葉があてはまる。時間がたち距離を置いてみて、初めて相手の気持ちが理解できるようになることもあるのだから。
ただ演出がオーソドックスなので、それが古臭く感じることもあるかも。奇をてらっていないと言えばいないんだけど。ただ今までの「南米ロケのチベット(『セブンイヤーズ〜』)」などとは違い、きちんと本場のチベットでロケしたのはうれしい。旅行人読者なら、その景色を見に行くだけでも価値があるかもしれない。また『キャラバン』で感動した人にもおすすめ。
先日、監督が来日し、合同インタビューをするチャンスがあった。そちらも参考にして下さい。
★★★☆(前原) |
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| ■関連情報■ |
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オールチベットロケ、全編チベット語というのは、ティエン・チュアンチュアン(田壮壮)監督の『盗馬賊』以来15年ぶり。
シエ・フェイ監督('42生まれ)の過去作には、『香魂女−湖に生きる』('93年ベルリン国際映画祭グランプリ)や『草原の愛−モンゴリアン・テール』('95年モントリオール国際映画祭監督賞)などがある。日本でビデオが出ているのは、今のところ『香魂女』(こうこんじょ)だけの模様。 |
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| ■関連サイト■ |
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映画瓦版
→http://www.eiga-kawaraban.com/02/02100703.html
『旅行人ノート/チベット』の執筆者・我らが長田幸康さんのサイト。チベット情報満載。
→http://www.tibet.to/
→『チベットの女 イシの生涯』シエ・フェイ(謝飛)監督来日インタビュー
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| ■映画の背景 Behind the Movie■ |
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映画の舞台として、歴代のダライ・ラマの住居であったポタラ宮(外観のみ)や、チベット仏教の聖地・大昭寺(ジョカン)、その周辺の八角街(バルコル)、チベット第3の町ギャンツェで博物館として保存されている領主の屋敷などが使われ、さらに「トルコ石の湖」の別名を持つヤムドク湖、標高4700メートルにあり「天の湖」と称される3大聖湖の1つナムツォなど、チベットの四季折々の景観が折り込まれている。
旅行人的にはイシの孫娘がラサのインターネットカフェに行くシーンを観て、「あ、あそこのカフェだ」なんて楽しめるんだろう。ちなみにバックにはボブ・マーリー&ウェイラーズの「イズ・ディス・ラブ」が流れており、それが妙に旅先の雰囲気に合いグッド。パッカーが多いところに、マーリーはビートルズを凌ぐ頻度でよく流れている。 |
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| ■DVD情報 |
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