| ■遥かなるクルディスタン/Journey to the Sun |
製作年/製作国:1999年/トルコ=ドイツ=オランダ
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監督・脚本:イエスィム・ウスタオウル
出演:ニューロズ・バズ、ナズミ・クルックス
配給:若松プロダクション・シネマスコーレ
上映時間:104分
公開:終了
ベルリン国際映画祭ベストヨーロピアンフィルム&平和賞
イスタンブール国際映画祭最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか受賞 |
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| ■ストーリー |
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| イスタンブールで暮らすトルコ西部の町ティレ出身のメフメットには、クリーニング店で働く恋人のアルズがいる。メフメットは濃い肌に太い眉毛という容姿のため、たびたびクルド人にまちがわれていた(実際、クルド人なのかもしれない)。ある夜、彼はサッカーで興奮したフーリガンたちに追われたことがきっかけで、東部出身のクルド人ベルザンと知り合う。2人は友だちになるが、偶然のできごとからメフメットは拳銃不法所持の疑いで警察に勾留。そこでクルド人と見なされ、暴行を受ける。仕事を失ったメフメットの力になったのは、ベルザンだった。しかし彼も警察にマークされている身だった。そしてクルド人差別に抗議するデモに加わったベルザンは逮捕され、警察に殺されてしまう……。 |
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| ■レヴュー |
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トルコ政府は認めていないが、トルコの人口の2割以上はクルド人だという。クルド人と言えば、どうも東の国境付近に住んでいるというイメージが強いが、実際は旅行者もよく訪れるネムルート・ダアの辺りもクルド人地域だし、カッパドキアやイズミールの近くにも多く暮らしている。もっとも、見かけは誰がトルコ人で、誰がクルド人であるかは、そこに暮らす人にとってもわかりにくい。この映画で言われるように、色黒で眉毛が太いというのが、典型的なクルド人のイメージのようだ。しかし東部出身のクルド人だと言うベルザンのように、私たちには見た目にはクルド人であるかはまったくわからない人もいる。
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また印象的なのが、転々と居場所を変えるメフメットを追うように扉にペイントされる、大きな「×」の文字。これは最初は何の意味かわからなかったが、これは「クルド人がここにいる」というサインらしい。これはもともとイスラム教のシンボルだったが、クルド人はアレヴィ派が多いことから、のちにクルド人を指すシンボルになったらしい。それはまるで第2次世界大戦時に、ナチス占領下の地域で行なわれたユダヤ人差別を連想させる。当時、ナチスはユダヤ人の家の扉に嫌がらせで、「ダヴィデの星」を記すということを行なっていたからだ。無人となった村で、メフメットがこの「×」がついた家を発見する場面はゾッとさせられる。
★★★(前原利行)
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| ■映画の背景 Behind the Movie■ |
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冒頭、ベルザンがカセットの屋台の準備をしているのはエミノニュの埠頭で、イスタンブールを訪れた旅行者なら、必ず行ったことがあるはず。後ろにはイエニ・ジャミイが見える。またメフメットの恋人アルズが働いているクリーニング店は、字幕では「繁華街」となっているが、セリフでは「スルタンアフメットで働いている」と言っているようだ。しかし彼女が仕事場へ行くために、いつも乗車する駅が「ギュルハネ」なのが不自然(スルタンアフメットのすぐそば)なのだが……。
またベルザンがバスの車掌で行くのが、シャンルウルファ。バスからウルファの丘上の城壁が見えてくるシーンは、行ったことがある人には懐かしいだろう。 |
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| ■関連情報■ |
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日本で今まで公開されたトルコ映画は、映画祭上映を除くとかなり少ない。比較的名前が知られているのがユルマズ・ギュネイ監督で、『路』が85年に、『群れ』が86年に公開されている。それからしばらくは空白が続いたが、2001年には久方ぶりに娯楽映画『エレベーター』が日本でも公開された。
クルド人問題を扱った映画は、本コーナー『酔っぱらった馬の時間』を参照のこと。 |
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