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■キル・ビル Vol.1/Kill Bill Vol.1

2003年/アメリカ

監督・脚本・製作:クエンティン・タランティーノ(『パルプ・フィクション』ほか)
出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、サニー千葉(千葉真一)、栗山千明
武術指導:ユエン・ウーピン(『マトリックス』ほか)
剣術・殺陣指導:サニー千葉(千葉真一)
撮影監督:ロバート・リチャードソン(『JFK』などのオリヴァー・ストーン作品)
美術(日本のパート):種田陽平(『スワロウテイル』ほか)
アニメーション:プロダクションI.G(『攻殻機動隊』、『BLOOD THE LAST VAMPIRE』)

配給:ギャガ・コミュニケーションズ
公式サイト:
http://www.killbill.jp/
上映時間:1時間48分
 
 
 
■レヴュー
 
 大人が一般に顔をしかめ、それでも子供たちが大好きなアクションもの、マンガ、マニア向けB級映画、くだらないものとして軽く見られがちなジャンルの寄せ集め映画。スタイリッシュな映像と音楽は健在で、カッコよくてグロくて可笑しい。タランティーノ曰く、「自分の集大成だ」。
 話は、殺し屋グループの一員だったユマ・サーマンが、そのボス(ビル)と仲間に襲われ、ひん死の重傷を負った4年後、奇跡的に回復し、グループ全員を殺すため、復讐の旅に出るというもの。
「こういう映画が好きなんだ!」という以外、メッセージらしきものは見当たらない。ただ、出演者やスタッフの顔ぶれなどを見ても、彼らや先代へのオマージュと共に、単なるパロディーを越え、みんなまとめて受け継ごうという気概が伝わってくる。
 Vol.1の後半は、舞台もアメリカから日本に移り、チャンバラ映画となる。日本人の手下がメッタ切りにされ、千葉真一演じる服部半蔵が沖縄の奇妙な寿司屋でも、タランティーノをいとおしくさえ思えるのは、ネライなのか勘違いなのかよくわからない所も含め、日本(映画)の様式美への憧れや敬意のようなものを画面いっぱいに感じるからだろう。『スターウォーズ』で、宇宙船で散々撃ち合ったあげくに、ライト・セーバーで戦うシーンなどを見ても、とても有難く思えてしまうのは、 ハリウッド=西洋崇拝の名残りだろうか。また、ユマ・サーマンやルーシー・リューに片言の日本語で凄まれた日には、ロックスターが日本語で御挨拶してくれたような気恥ずかしさを覚え、思わず笑ってしまうだろう。極妻で岩下志麻が披露した関西弁よりスゴイ。登場する日本人キャラの名前がゴーゴー夕張というのも笑える。
 こうした映画が気にくわない日本映画の人たちも、内容のなさを非難したり、予算やヒットをうらやむより他に、音楽の使い方や描写の妙、プロモーション展開など、見る気にさせる仕掛けだけでも研究すべきじゃなかろうか。
★★★★(今野)
 
■関連情報
 
・5年ぶり4本目の、タランティーノ監督作品。撮影日数270日、後半の決闘シーン8分のために8週間が費やされた。

・当初、3時間を超える1つの作品として作られていたが、公開の3ヶ月前に2部構成で公開されることになった。映画の最終的な編集権を持ち、監督が仕上げた作品を容赦なくカットしてしまうことから“シザーハンズ”の異名をもつミラマックス社のワインスタイン会長をもってしても、カットすることが出来なかったというのが、配給会社の売り文句。

・ユマの黄色いトラックスーツは『死亡遊戯』のブルース・リーのマネをしたもの。この他、元ネタは色々ありすぎなので、詳細はパンフなど見て下さい。

・2004年に公開予定のVol.2では、中国とメキシコを舞台に、カンフーやマカロニ・ウエスタン色が全開するという。
 
■DVD情報
 
キル・ビル Vol.1 (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第2弾)
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン (2008-06-12)
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