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■カンダハール Kandahar
2001年/イラン=フランス合作

監督・脚本・編集:モフセン・マフマルバフ
出演:ニルファー・パズィラ/ハッサン・タンタイ

配給:オフィスサンマルサン
上映時間:1時間25分
公開:
終了

2001年カンヌ国際映画祭エキュメニック賞(国際キリスト教会審査員賞)
2001年ユネスコ〈フェデリコ・フェリーニ〉メダル
2001年米タイム誌選出 ベストワン
日本国連HCR協会(国連難民高等弁務官事務所 日本委員会)推薦
http://www.unhcr.or.jp
(財)日本ユニセフ協会推薦
  カンダハール/写真1
 
カンダハール/写真2
 '98年タリバン政権下のカブールの友人から自殺をほのめかす手紙を受け取ったのは、'90年にカナダへ渡りジャーナリストになったアフガン女性ニルファー。パキスタンからの入国を断られた彼女は、モフセン・マフマルバフ監督に、その旅を撮りアフガンの現状を世界に伝えて欲しいと頼む。監督は密かにアフガン入りし調査するが、その困難と危険を考え、カブールをタリバン政権の本拠地カンダハールに、友人を妹に設定を変え、フィクションとして映画化した。主人公はそのジャーナリストであるニルファー自身。また、多くの難民たちにも出演してもらい、アフガンとイランの国境地帯で2000年に撮影された。マフマルバフ監督は日本でこそ知名度はそれほどではないが、キアロスタミと並びイラン映画界を代表する監督で、アフガン難民が主人公の劇映画「サイクリスト」('89)などを撮り国際的にも評価されている。
 
■ストーリー
 タリバン政権の本拠地であった故郷カンダハールに絶望し自殺予告の手紙をよこした妹を、カナダに亡命しジャーナリストになったアフガン人女性が訪ねていく道中の話。タリバン政権下にあったアフガンの様子、女性の扱われ方や神学校での授業風景が描写される。道案内の少年に連れて行かれた診療所の医者は元々戦士としてアフガン入りしたアメリカのブラック・ムスリム。その彼や赤十字キャンプで会った片腕の男に案内を頼み、花嫁の行列に紛れたりしながらカンダハールへを目指す。
 
■レヴュー
 世界が20年無視してきた、資源も何もない小国アフガニスタン第2の都市の名は、今や最も有名な地名の一つとなった。この監督が世界に知らせようとした状況は、監督の全く望まない方法で一見変わりつつある。事実、あのテロと空爆がなかったら、僕を含めいったいどれほどの人がこの映画に感心を示したことだろう。ただ、世界が注目しているのは今でも、テロの脅威であって、アフガンの人々ではないと監督は言う。「世界が…」と書くとまるで他人事だが、アフガンを無視してきたのは、難民を横目に、お気楽な旅を続けた僕らのことである。
カンダハール/写真3
カンダハール/写真4
難民キャンプからアフガンに帰還する少女たちへの授業や、赤十字キャンプでの義足をめぐるやりとりがせつない。パラシュートで空から舞い降りてくる義足と、それに向かって走る片足の男たち、カラフルな美しいブルカに身を包み、花嫁の行列で寂し気な祝いの歌を歌う女たち。現実的なテーマに、シュールな映像を織りまぜて描くのを得意とするこの監督は「アフガニスタンの現実とは、それ自身がシュールなのです」と言う。
★★★★(今野雅夫)
 
■映画の背景 Behind the Movie■
 '80年代のソ連との戦争や、その後の内戦により人口2000万人とされるアフガニスタンでは300万人が死に、400万とも600万とも言われる難民が流出した。タリバンは'94年にカンダハールを占領し、飢餓に苦しむ子供たちは食事が支給される神学校で「教育」され、タリバン軍の一員となっていた。タリバン支配地域では、映画・テレビ・写真・音楽は禁止され、女性にとって全身を覆うブルカの着用は義務、外出も厳しく制限され、就学・就労の権利もなかった。ただ、問題なのはタリバン支配以前にも読み書きのできる女子は5%に過ぎなかったということ。

詳しくは→http://www01.u-page.so-net.ne.jp/wa2/arakuni/eiga.htm
http://www.naoka.net/diary/diary2001-11.html
 
■関連情報
 
 監督の来日記者会見は
http://www.ryokojin.co.jp/6f/movie/PressConference/Kandahar_pr.html

 撮影は、アフガン国境に近いイランの町ザーボル近郊で主に行われた他、テヘランの南200kmにあるオアシスの町・カシャーン近郊でも行われた。

 撮影前の調査や撮影中のエピソードも含むモフセン・マフマルバフ監督のアフガン・レポート『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない、恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』は現代企画室より'01年11月30日発行、1,300円(本体)+税。
現代企画室ホームページhttp://www.shohyo.co.jp/gendai/index.html



 アフガン難民が自立へ向えるよう、まずイランやアフガンの各地で識字・衛生教育が受けられるように、監督は仲間と「アフガン子ども運動Afgan Children Education Movement(ACEM)」というNGO団体を作った。そして、イランの要人や国際機関に働きかけ、身銭を切って奔走している。

ACEM,JAPANアフガン子ども教育運動日本支部
〒663‐8103 兵庫県西宮市熊野町8-13-502
Phone 0798-67-2087 Fax 0798‐67‐2300
代表:旦 匡子(だん きょうこ)
acem-japan@future.memail.jp
郵便振替口座:00990−9−94488

『カンダハール』が上映される映画館にはこのACEMの募金箱が置かれる。
http://www.afghanchildreneducationmovement.com/



外務省・アフガニスタン情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/afghanistan/index.html

マフマルバフ一家の作品紹介はイメージフォーラムさんのサイトを御覧下さい。
http://www.imageforum.co.jp/makhmalbaf/kkskhn.html

マフマルバフ・ファミリーのホームページ(英語)
http://www.makhmalbaf.com/

 日本にも、ソ連軍撤退期のアフガンを撮った土本典昭ほか監督の『よみがえれカレーズ』('89)という作品があります。詳しくは土本典昭のホームページ。
http://www2.ocn.ne.jp/~tutimoto/index.html

 今年になり、主人公の旅を助ける元傭兵のアメリカ人医師役のハッサン・タンタイ氏に、イスラム革命下アメリカに政治亡命した報道官を暗殺した容疑があり、そんな方面でも話題になっている。
http://www2.diary.ne.jp/user/97052/

 この映画について書かれているホームページ
http://homepage2.nifty.com/~islands/cs/afghan/afghan.html
http://kawara-ban.plaza.gaiax.com/01/01111201.html
http://www.cs-tv.net/
http://www.naoka.net/diary/diary-top.html
 
■DVD情報
 
カンダハール
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