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■少年と砂漠のカフェ Delbaran
2001年/イラン=日本合作

少年と砂漠のカフェ Delbaran/写真  
監督・脚本・編集:アボルファズル・ジャリリ
(「ぼくは歩いてゆく」「キシュ島の物語(第2話)」)
製作:バンダイビジュアル 
   フィルム・エ・アヴァル/オフィス北野
出演:キャイン・アリザデ

配給:ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/
上映時間:1時間36分

公開:
終了

2001年ナント三大陸映画祭グランプリ、ロカルノ国際映画祭審査員特別大賞
 
 世界的に評価は高いが、イラン国内では賛否両論を巻き起こし、上映禁止にされてしまうことが多いアボルファズル・ジャリリ監督。その新作がこの「少年と砂漠のカフェ」だ。イランにおけるアフガン難民の問題を、声高になることなく寡黙に描いている。
 
■ストーリー
 アフガニスタン国境に近い街道にある、老夫婦が経営するカフェ。故郷のアフガンを後に、そこに14歳の少年キャインがたどり着いた。トラックの運転手でにぎわうこのカフェに、キャインは住み込みで働くようになる。ある日、不法入国者を取り締まる警官マハダヴィが強盗に襲われ、カフェへ助けを求めにやって来る。キャインは針金を使って手錠を外すが、アフガン人であることがわかり捕まってしまう…。
 
■クロス×レヴュー
 
少年と砂漠のカフェ Delbaran/写真2
 僕とジャリリ監督との相性はあまり良くはないようだ。他には「7本のキャンドル」と「ぼくは歩いてゆく」しか観ていないが、そのあまりの愛想のなさに当惑さえ覚える。この「少年と砂漠のカフェ」でも、こちらが観たいところを見事にバッサリ切り捨てている。冒頭、主人公の少年キャインがアフガンから国境を越えてくるシーンは、鉄条網のアップにタオルがかけられるだけ。また、キャインが捕まり、カフェの奥さんが警察へ連れ戻しに行くが、警官は拒否する。しかし次のシーンではもうキャインはカフェに戻ってきている。どうやって強情な警官をくどいたのか。映画的カタルシスを求める僕の方が、ハリウッド映画に毒されているのかもしれない。ただそこまで登場人物の心を読み取るに、僕には寡黙すぎて入り込めるものがなかった。場面場面でいいシーンはあるのだけれど。
★★(前原利行)

 ごめんなさい、僕も後半ウトウトしてしまいました。パンフレットの監督ノートによると、原題であり、この舞台でもある「Delbaran」という町の名は「恋人たち」を意味するペルシャ語で、かつてここのカフェは家を捨ててきた恋人たちが会う場所であったとか。それが今は密輸商人、違法就労者や麻薬密売人の集まる場所になっている。ドラマチックな設定ではあるのだが、監督はそれを使って話を盛り上げるどころか省略する。警察に連行された少年を連れ戻すためカフェの老婆が警官に掛け合うシーンや、言葉もわからないアフガン男性がイラン人の娘と結婚するため尋問に答えるシーンが静かなハイライト? 少年の無愛想さや懸命さがリアル。主にヨーロッパの有力紙が讃えている。
★★☆(今野雅夫)
 
■映画の背景 Behind the Movie■
 映画の舞台はイラン北東部にあるホラサン地方。撮影は1999年11月から3〜4ヵ月。イランでは冬の季節にあたる。主演の少年キャインは、ロケハンの最中に偶然ジャリリ監督の目に止まった羊飼いの少年。聞けばアフガン人であるという。監督は彼を主役にすると共に、物語の設定をアフガン難民の少年を主人公とする話に軌道修正した。この地方にはアフガン移民が多く住み、監督にとってもいずれそれは避けられない問題だったのだ。(前原)
 イランに150〜300万人いるというアフガン難民は、一部の心無い不良イラン人(失業者など)にとっては、からかいや八つ当たりの対象ともなっている。「アフガニー?」と言われ、日本人が絡まれることなどもあったりする。また、主演のキャインは、9/11のテロ前にアフガンへ戻って以降、消息が掴めなくなっているとか。(今野)
 
■関連情報
 
この映画について書かれているホームページ
http://www.so-net.ne.jp/movie/filmex2001/delb.html
 
■DVD情報
 
少年と砂漠のカフェ [DVD]
バンダイビジュアル (2003-01-25)
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