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■ブラックホーク・ダウン/Black Hawk Down

2001年/アメリカ

監督:リドリー・スコット(『エイリアン』(79)、『ブレードランナー』(82)、『ブラック・レイン』(89)、『グラディエーター』(00)、『ハンニバル』(01))

製作: ジェリー・ブラッカイマー(『フラッシュダンス』(83)、『ビバリーヒルズ・コップ』(84)、『トップガン』(86)、『クリムゾンタイド』(96)、『アルマゲドン』(98)、『パール・ハーバー』(01))
 /リドリー・スコット

 

出演:ジョシュ・ハートネット(『パール・ハーバー』)
   トム・サイズモア(『7月4日に生まれて』(89)、『プライベート・ライアン』(98))
   エリック・バナ /ユアン・マクレガー
編集:ピエトロ・スカリア(『JFK』(91)『グラディエーター』『ハンニバル』)
原作:マーク・ボウデン『強襲部隊』(早川書房)

配給:東宝東和
上映時間:2時間25分

公開:
終了
公式サイト:
http://bhd.eigafan.com/

本年度アカデミー賞監督賞、撮影賞、編集賞、音響賞の4部門にノミネートされ、編集賞と音響賞を受賞。

殺されたアメリカ兵が街中を引きづり回される映像や写真が甦るソマリアでの市街戦。
その戦闘を忠実に描いた原作(ノンフィクション)をもとに集約・再現された戦場体感映画。
 
■ストーリー

  
 アフリカ北東部、長年に渡る部族闘争による飢餓で30万人以上の国民が死んでいったソマリアの首都モガディシュ(モガディシオ)。
  1993年10月3日、国連平和維持軍として派遣されていた米兵の部隊が、食料援助の略奪等を繰り返すアイディード一派の副官2名を捕らえる作戦が遂行された。1時間で終了するはずの任務は米軍の最新鋭ヘリ 「ブラックホーク」が撃墜されたことから、ベトナム戦争以来最悪の銃撃戦となる。
 
■レヴュー
 
 全編にわたる『プライベート・ライアン』並の迫力ある臨場感には圧倒される。音響設備の整った大画面の映画館で観るべき映画だろう。
 『パール・ハーバー』などとは大きく異なり、いわゆる娯楽性の加味はない。「これは観客に問いかける作品であって、答えを提供する作品ではない」と監督が言うように、露骨なメッセージがないぶん、この戦闘の意味については自分で考えないといけない。戦闘による死者は米兵19人に対し、ソマリ族は一般市民を含め1000人以上というデータが示され、原作者は「現実を直視し軍事介入がどんな事態を招いているかについて思索をめぐらせてほしい」と言うものの、主人公たちはあくまで米兵なので、そちらに感情移入してしまうのは当然のこと。敵方の言い分も盛り込まれてはいるが、その扱いは西部劇でのインディアンを思わせる。
 ペンタゴン(米国防総省)の協力で軍事訓練を受けた俳優たちや監督も実在の兵士らと対面しているとあっては、その軍事行動を批判的には描けまい。それは試写会を観せてもらい、宣伝スタッフの人に挨拶すると、その映画を批判しにくくなるのとも似ている。
 戦う意味について兵士たちの言葉がラストにも語られるが、果たしてどれだけの人がそれで納得できるだろう? 「5000円出しても観る価値あり」と言ったおすぎさんに対し、金曜の深夜番組「虎の門」(テレビ朝日)で井筒監督は「そりゃ絶対おかしいよ」と酷評し、マイナス五つ星をつけた。映像の迫力と内容のどちらを取るかということだろう。★★★★(今野)
 
 
■映画の背景 Behind the Movie■
 
 この戦闘の2週間後、クリントン大統領はデルタ・フォースとレンジャーをソマリアから撤退させる。また、'94年同じくアフリカのルワンダでの内戦時、国連軍の出動が議論されるが、その中心になるアメリカがこれを拒否。結果として、50万人の民族大量虐殺が見過ごされる。アメリカが兵隊を出せば余計なお節介、出さなければ見殺しにしたと非難されるのは、その正義と軍産複合体の利益がたえず一致しているという理由もある。

 アメリカではテロ後の愛国ムードの中で本作は大ヒット。ソマリアは無政府状態が続き、アフガンに継ぐテロの拠点としてイラクと共に空爆標的候補にもあがっているだけに、NY等ではソマリアからの移民や市民運動家が映画のボイコットを訴えたりもしているという。

 戦場と化したソマリアの首都モガディシオ市内を再現したロケ地は、モロッコのラバト周辺と近郊の町サレ(シディ・ムーサ)。モロッコ国王の協力も受け、ケニトラの空軍基地などでも撮影された。
 
■関連サイト
 
 外務省・ソマリア情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/somali/index.html

http://www.asahi.com/culture/movie/K2002012801046.html
http://www.cnn.co.jp/2002/SHOWBIZ/01/24/Ridley.Scott/
 

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