■レイン BANGKOK DANGEROUS
製作年/製作国:2000年/タイ
監督・脚本・編集:オキサイド・パン、ダニー・パン
出演:パワリット・モングコンピシット、
ピセーク・インタラカンチット、
プリムシニー・ラタナソパァー
配給:クロックワークス
上映時間:106分
香港出身の双子の兄弟オキサイド・パンとダニー・パンの初監督作品。オキサイドは、97年に<<Who's Runnning>>で、監督デビュー。ダニーは、<<風雲>>などを手がけた香港では大活躍の映像編集人。そのふたりがタグを組み、本作ができあがった。主人公を演じたのパワリットは、タイの新人で、これがデビュー作である。
■ストーリー
生まれつき耳の聞こえない少年コンは身寄りもなく、射撃場で働くようになる。そこで出会ったのが、殺し屋ジョーとその彼女オーム。ジョーはコンにその射撃の素質を見て殺し屋に育て、一緒に行動するようになる。数年後、ジョーは利き手を怪我し、すでにリタイアしていたが、コンは一人前の殺し屋になっていた。ある日コンは熱を出し、訪れた薬屋でフォンに出会う。どこかしらお互いにひかれあい、カップルのようにすごしていたが、ある日公園で強盗に襲われ、彼らを何事もなく撃ち殺してしまうコンを見たフォンはショックを受け、彼を避けるようになる。一方ジョーとオームもボスの仕掛けた罠にはまり、命を落とす。ひとりぼっちになったコンは、人を失う悲しみを初めて知り、今までの自分のして来た事に気づく。そして、フォンに手紙を託し、雨の中をボスのアジトに向かうのだった。
■レヴュー
銃を撃つ時に、どうしてまばたきしてしまうのか? それは、銃声が聞こえるから。じゃあ、聞こえなかったら? そう、コンのように、目を見開いたままで、撃つ事ができる。ずっとそんな世界で生きて来たコンが、フォンと出会うことで、自分の中で音が鳴り始めた。その音を表現する−誰かに伝えたい−しかし、その時にはもう全てが遅すぎたのだ。
タイ語でフォンとは、雨のこと。コンにとっては、最初も最後も"フォン"が転機になっている。見せる映像は、鮮やか、スピーディー、スタイリッシュ。香港の地下鉄内での狙撃方法など、わくわくする。とはいえ、いまひとつ感をぬぐえないのは、初めから結末が想像できてしまう話のシンプルさから来るものか?
敵討ちのため敵陣の宴会場に乗り込む、香港映画ファンなら、おお!と膝をたたくシーンが。そう、<<男達の挽歌>>だ! どうも主人公のパワリットは、周潤發(チョウ・ユンファ)のファンらしい。
★★★(葉月夏生)