あのヒット作の続編がやってきた。タイの国体で優勝したオカマの男子バレーボールチーム「サトリーレック」の実話を映画化した前作は、タイ本国だけでなく日本でもヒット。その続編である本作では、チームの中核メンバーのジュンとノンが仲違いをし、ノンが高額のギャラと引き換えに、補欠の三つ子を連れてライバルチームへ移籍してしまったところから始まる。すっかり弱くなったチームを建て直そうと、ジュンとチャイ(チーム中唯一の非ゲイ)は、中国へ行った元メンバーのピアを呼び戻そうと旅に出た。道中、ジュンはオカマの5人のメンバーが出会った大学生活の思い出を語る。チーム結成以前の、ビフォー編と、分裂したメンバーがいかにまた結束するかのアフター編が平行して描かれる。 元メンバーのピアを探しに、ジュンとチャイが渡る国境は、タイ北部のチェンセン。タイと中国は直接国境を接していないので、ここから2人は中国の景洪までメコン川をさかのぼる船旅をする。景洪周辺は雲南省のシーサンバンナと呼ばれる地域で、少数民族、とくにタイ族が多く住んでいる。もともと現在のタイ人は、このあたりに住んでいたタイ族が南下して、今のタイ国の地域に住み着いたと言われている。だから言葉も近く、タイ人も観光で行きやすいようだ。
■アタック・ナンバーハーフ2 全員集合!/SATREE-LEX 2
2002年/タイ
監督:ヨンユット・トンコントーン(『アタック・ナンバーハーフ』)
出演:チャイチャーン・ニムプーンサワット、ジョージョー・マイオークチイ、ジェッダーポーン・ポンディー
配給:クロックワークス
公開:2004年4月24日
劇場情報:ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ
■解説

■レヴュー
もはや説明不要の、大ヒット作の続編が登場だ。タイ映画といえばこのシリーズを挙げる人が多くなってしまったことに、タイ好きの僕としてはうれしい反面、少し複雑な気持ちにはなる。ほかにもいいタイ映画はたくさんあるわけで。
しかし、この映画はゲイというマイノリティを扱っているのにかかわらず、まちがいなくタイ映画の本流にあるのだろうと思う。80〜90年代にかけてヒット作を連発したバンディット・リッタコン監督作品の学園コメディーなんかの系譜にあるといえるのではないだろうか。(こちらもぜひDVD化を期待したい)
旅をすると必ずというほど出会ってしまうオカマちゃんたちの乗りも楽しいのだが、サヌックでタロク(楽しくおもしろい)好きなタイ人の本来の気質と、人間関係の軽いようでいて濃密なところが、タイ映画の魅力になっているのではないかと思う。
前作がスポ魂ものの王道を行っていたのに対し、今回は先が読めない分、個人的にはより楽しめた。
サトリーレック結成前の大学生活や(カミングアウトする前の”水牛”ノンの奇行が抱腹絶倒!)、ジュンとチャイが、ピアを尋ねて中国は雲南省・西双版納へ行く様子は、旅行人読者なら思わずニヤリとしてしまうところだ。タイ人が自身の起源である雲南省のタイ族に敬意を払っている様子もうかがえて、とても興味深い。また、ライバルチームに、ニセ”サトリーレック”なるチームも出現し、その破天荒ぶりは今回も健在だ。
★★☆カネコマサアキ
僕のタイ映画との最初の出合いが前作で、大笑いしてかなり楽しめた。さて、この作品も楽しいことはまちがいないが、前作を見ていることを前提として話が進むので、各キャラクターが初めて登場してきた、あの意外性はなくなり、さらに前半が説明的でまったりした感じがしてしまった。この「ナンバー2」は後半になるまでなかなかテンションが上がらないのが、ちょっともどかしい。それでもけっこう楽しめ、ユルいギャグもタイらしい。
★★☆前原利行
■映画の背景

ピアがゲイのショーをして働いているのは「夜総会」。入ったことがないが、中国ではよく見かけるダンス・クラブ&キャバレー。しかしこの映画、ゲイを描いているということで、実際には中国での撮影許可が降りず、中国のシーンはタイ北部のパヤオ、ナン、チェンライで撮影された。
サトリーレックはランパーンのチーム。そしてライバルの偽サトリーレックはチェンマイのチーム。この2つの都市はバスで1時間ほどしか離れていないため、よりライバル感が強い。地区大会が行なわれるのはメーホンソーンで、池に映るあの2つの寺院も出てくる。
■DVD情報
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