監督:ソイ・チェン(『ノイズ』『愛・作戦』) 配給:アートポート エディソン・チャン演じる非情な殺し屋と、彼に仲間を殺され復讐に燃える刑事。暴力描写も過激な香港ノワール。 一方、逃げるパンと並行して描かれているのが、若手刑事ワイだ。名警官として褒め称えられた父親は一年前に入院したまま意識不明の状態で、それ以来怠慢な態度を取るワイにはある秘密がある。ワイにはコメディからシリアスな悪役まで幅広くこなせる性格俳優サム・リーが扮しているが、ここではかなりブチ切れた演技でかなりの力演ぶり。 パンは確かに悪人だが、本作は人間を単純に善悪に分けてはいない。野獣のようなパンと対峙することにより、刑事たちはその暴力性が引き出されていき、逆にパンは愛する存在を見つけてより人間らしくなっていく。キャラクターが交替していく、というのが作者の狙い(人間は環境次第でどちらにでも転ぶ)なのかもしれないが、ラスト近く、カンボジアで平和に暮らすパンとユウの描写には違和感があった。冷酷非情な殺し屋が、そんなにも変われるものかと。その分、マイナス☆一個になったが、なかなかの力作であることは確かだ。(★★★前原利行)
■ドッグ・バイト・ドッグ/狗咬狗 Dog Bite Dog
2006年/香港
出演:エディソン・チャン(『インファナル・アフェア』シリーズ、『頭文字<イニシャル>D』)、サム・リー(『ピンポン』『メイド・イン・ホンコン』)、ペイ・ペイン、ラム・シュー(『ブレイキング・ニュース』『PTU』)
公開:8月11日より新宿武蔵野館ほかにて
上映時間:108分
公式HP:www.dogbitedog.jp
■ストーリー
カンボジアで子どもの頃から相手を倒して殺す闇試合に出され、闘犬のように育てられてきた青年パン。香港へ密入国したパンは、レストランにいるターゲットを指令通りに射殺した。犯行現場にやってきた刑事ワイは、近くに佇むパンを不審に思い、コンビを組むリンと追跡。しかしパンは屋台街で取った人質を容赦なく射殺し、交渉にあたったリンも刺殺する。刑事たちはパンを捕らえるが、パンは難なく脱走。やがて逃走中のパンは、故郷を思わせるゴミ捨て場の山で、そこに住む不法移民のユウと出会う。
■レヴュー
バイオレンス描写も過激な香港ノワール。北野武映画の影響を受けたような、あっけなく人が死んでいく暴力シーンは強烈だ。おもな主人公は2人だが、物語を動かしていくのは、エディソン・チャン演じる殺し屋パンだ。今回エディソンは、無抵抗の人間も平気で殺す凶暴で冷酷な男を演じ、今までの二枚目俳優的なイメージを覆している。広東語がわからないためエディソンのセリフはほとんどなく、それがまた動物のようなパンの役柄を強調している。
■映画の背景
■DVD情報
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